トヨタ、2027年式GRMNカローラを発表|300hp/302lb-ft、2シーター化&カーボン武装でニュル攻略
カーレビュー

トヨタ、2027年式GRMNカローラを発表|300hp/302lb-ft、2シーター化&カーボン武装でニュル攻略

2026.06.02

トヨタ自動車は2026年6月2日、グローバルニュースルームを通じてGAZOO Racing(GR)の最高峰モデル「2027年式 GRMNカローラ」を発表した。GRが掲げる「モータースポーツから車づくりを始める」という哲学のもとで開発された、トラック志向のコンパクトホットハッチだ。マスタードライバー豊田章男氏(モリゾウ)が「GRMNを名乗るなら、ニュルブルクリンクをきちんと走れなければならない」と直接指示し、世界最難関と称されるサーキットでの徹底テストによって磨き上げられた。日本のトヨタ自動車元町工場で生産され、北米・日本・オーストラリアを主要市場として台数限定で販売される。日本国内では2026年秋頃からスマートフォン向けアプリ「GR app」を通じた商談申込受付を開始し、2027年内の発売を予定している。

「ニュルブルクリンクで磨いた「GRMN」哲学

この記事のポイント

ニュルブルクリンクで磨いた「GRMN」哲学

トヨタ公式発表によれば、GRMNカローラはGRカローラの究極形として位置づけられている。コンセプトの根幹にあるのは、モリゾウ氏の「GRMNを名乗るなら、ニュルブルクリンクをきちんと走れなければならない」という強いディレクションだ。世界最難関とも称されるニュルブルクリンクは、通常のテストコースでは現れない入力や路面変化を露わにし、車の弱点を浮き彫りにする場所。GRチームは低速域からレーシングスピードまで、悪路を含むあらゆる状況でドライバーの意図に忠実に応答することを目指してチューニングを重ねた。

開発プロセスにはニュルブルクリンクでの走り込みに加え、日本のスーパー耐久シリーズへの参戦、最新のドライビングシミュレーターによる検証も含まれる。極限走行で見つけた予期せぬ問題を一つひとつ潰し、車とドライバーが限界域でも対話を続けられる「人車一体感」を追求した。なお、GRMN開発から得られた知見は、ベースとなるGRカローラの進化にも反映されている。2025年9月発表・11月発売の「25式後期」GRカローラでは、構造用接着剤の塗布を13.9m延長して総延長32.7m化することでボディ骨格を強化、さらに高負荷走行時の吸入空気温度上昇を低減するクールエアダクトを装備しており、いずれもニュルブルクリンクでの学びを生かした改良だ。

2027年式 GRMNカローラ

エアロ・サスペンション・4WD制御の専用開発

GRMNカローラには専用エアロパーツが装着される。フードダクト、フェンダーダクト、フロントサイドスポイラー、リアウィングは、スーパー耐久シリーズに参戦する水素エンジンGRカローラで蓄積したノウハウを反映したもの。リアウィングは5段階の角度調整機構を備え、プロドライバーによるニュルブルクリンク走行テストで1度刻みに調整しながら最適仕様を導き出した。

サスペンションは前後とも専用設計のモノチューブショックアブソーバーを採用し、内部リバウンドスプリングを内蔵する。コーナリング時の内輪トラクションと、高速コーナリング性能の向上が狙いだ。フロントは倒立式モノチューブ、リアは正立式モノチューブで、ストロークをミリ単位で前後調整して最適バランスを確立した。ニュルブルクリンクの過酷な路面で発生する大きな上下動に対応するため、バンプストップ特性もテストを通じて最適化されている。タイヤは高グリップな**ミシュラン・パイロットスポーツCup 2**(245/40ZR18)を装着。

EPS(電動パワーステアリング)の制御プログラムも、高Gコーナリング中でも必要なアシストトルクを発生できるよう専用チューニング。GR-FOUR全輪駆動システムは直進時の後輪トルク配分を最適化し、極高速域でのステアリング入力初動の安定性を高める専用ロジックが組み込まれた。

エアロ・サスペンション・4WD制御の専用開発

エンジン進化:302lb-ftへ、中速域を厚く

パワートレインはGRカローラと同じ1.6リッター直列3気筒ターボ「G16E-GTS」だが、最大トルクを **302 lb-ft(約410Nm)** まで引き上げた。最高出力は **300馬力/6,500rpm**、最大トルク発生回転域は **3,250〜4,600rpm**。GRMNカローラの開発チームはサーキット走行時のエンジン使用域を分析し、コーナー脱出時の加速に直結する **4,000〜4,600rpmの中速域** でトルクを厚くする方向にチューニングしている。

連続全開走行でも安定した出力を維持するため、インタークーラースプレーシステムが搭載される。これに「25式後期」GRカローラから引き継いだクールエアダクトを組み合わせ、高負荷条件下での吸気冷却を強化した。トランスミッションはGR-FOUR AWDと組み合わされる6速インテリジェントマニュアル(iMT、レブマッチング機能付き)。クロスレシオ化されており、サーキットでのパワーバンド維持に有利な設定だ。

エンジン進化:302lb-ftへ、中速域を厚く

2シーター専用+セミバケット+カーボン武装

軽量化の象徴的アプローチが「リアシート廃止」だ。GRMNカローラは **2シーター専用設計** とすることで、ベース車比 **66ポンド(約30kg)** の軽量化を達成。これによりパワーウェイトレシオが改善され、サーキットでの俊敏性が一段引き上げられている。

コックピットには専用のセミバケットスポーツシートが装備される。ブラックとレッドのBrin Naubスエードと合成レザーを組み合わせ、サーキット走行で必要な高い横サポート性を実現しつつ、プレミアム素材で質感も両立。フロックド加工のインストルメントパネルとフロントピラートリムが反射を抑え、ドライバーの集中力を高める。助手席側インパネにはトヨタ自動車元町工場のカーボン部門製カーボンオーナメントが装着され、ダッシュパッドにはモリゾウ氏のサインが配されている。ドアトリムとシフトノブには **アルマイト・レッド** のアクセント、そしてGRMN専用シリアルナンバープレートが装着される。

エクステリアもカーボン仕様で武装。フード、フロントフェンダー、フロントサイドスポイラー、角度調整機構付きリアウィングはいずれもカーボンファイバー製。ホイールは **18インチのマットブロンズ10スポーク鍛造アルミ**(TOYOTA GAZOO Racingロゴ入り)。フロント・リア両方にダークTOYOTAエンブレムとGRMN専用エンブレムを装着し、外装色はZero Gravity(淡色)とGravel(濃色)の2色展開となる。

2シーター専用+セミバケット+カーボン武装

主要諸元(プリミナリー)

主要なスペックは以下の通り(プリミナリー値、最終仕様は後日発表)。

Roadly編集部コメント

2026年型GRMNカローラを一言で表すなら「ホットハッチを通り越したナンバープレート付きレーサー」だ。リアシート廃止+カーボン製フード/フェンダー/スポイラー/リアウィングという徹底ぶりは、もはや日常使いの利便性を半ば諦めてサーキット性能に振り切った設計と言ってよい。エンジントルク302lb-ftは現行GRカローラ(同じ1.6リッター直3ターボベース)からの引き上げで、中速域を厚くするチューニング方針はサーキット走行での実戦感覚に直結する。シリアルナンバープレート、モリゾウサイン入りダッシュパッド、Brin Naubスエードのセミバケットといった所有感の演出も抜かりない。日本市場でも展開されることが公式に明言されているのは、純正ホットハッチ好きには朗報だ。価格は未発表だが、相応のプレミアム価格になるとみられる。最終スペックと国内発売時期の続報を強く待ちたい一台だ。

2027年式トヨタGRMNカローラは、日本の元町工場で生産され、北米・日本・オーストラリアで台数限定販売される。日本国内では2026年秋頃から「GR app」経由で商談申込受付が始まり、2027年内に発売予定。また、発表日となる2026年6月2日から6月28日まで、富士モータースポーツフォレスト ウェルカムセンターで車両展示が実施される。最終スペックとメーカー希望小売価格は今後発表される予定で、Roadlyでは続報を引き続きお届けする。

情報源・出典

本記事は上記のメーカー公式プレスリリースを情報源として、Roadly編集部が事実情報を再構成・独自視点で執筆した解説記事です。プレスリリースの文章・構成・画像を複製したものではありません。詳細は上記リンクよりご確認ください。

※本記事は情報提供を目的とした解説であり、商品・サービスの購入や投資判断を推奨するものではありません。スペック・価格・発売時期等は変更される場合があります。

TAGS
Drive Route Media
Weekend, where to drive?
ルートを探す