マツダを支えてきたド定番SUV「CX-5」が、フルモデルチェンジを経てついに2026年型として登場した。初代デビュー以来、累計450万台以上を販売してきたモデルだけに、その刷新内容への注目度は高い。アイルランドの自動車メディア「CompleteCar.ie」が公開した試乗動画では、エクステリアからインテリア、そして走りの実力まで幅広く検証されている。サイズアップによる実用性向上やデザインの熟成といったプラス面が多い一方、完璧とは言い切れない部分も率直に指摘されており、購入検討中のドライバーにとって非常に参考になる内容だ。
この動画のみどころ
- ボディが全方向に拡大し、室内空間と積載性が大幅に向上
- KODOデザインを継承しつつCX-60譲りの彫りの深いフロントフェイスに刷新
- ラゲッジは583L確保、40:20:40分割シートで利便性も大きく改善
- インテリアは質感アップも、操作系には惜しいと感じる部分が残る
ひと回り大きくなった新ボディ
新型CX-5の第一印象として見逃せないのが、ボディサイズの拡大だ。動画内では、全長が先代比で115mm延長され、ホイールベースも伸びたことが紹介されている。ホイールベースの拡大は単なる数字の変化ではなく、前後席間の余裕に直結するため、乗員全員にとって恩恵が大きい。また全高も30mm増しており、乗降性の改善にも貢献しているという。さらにトレッドも15mm広がっており、ハンドリング特性への好影響が期待できる点も興味深い。
これらのサイズアップは、ライバルのトヨタ RAV4やホンダ CR-Vが充実した室内空間を武器にしていることを踏まえると、マツダが明確に意識した競争力強化と言えるだろう。従来のCX-5は「コンパクトSUVとしての質感」が際立っていたが、新型では「使えるSUV」としての実力も強化された格好だ。

KODOデザインの最新解釈
エクステリアデザインは、マツダが長年掲げてきた「魂動(こどう)」デザイン哲学を継承しながら、より現代的な表現へと昇華されている。CompleteCar.ieの動画では、フロントグリルに組み込まれたシグネチャーウィングデザインが以前より主張を強め、ヘッドライトとの一体感も増したと紹介されている。積層型のLEDヘッドライトとデイタイムランニングライトが組み合わさることで、遠くからでも存在感を放つ顔つきになっている。
リアも同様に刷新され、テールランプがボディサイドへ回り込む立体的な造形に変更。動画で確認できる「ソウルレッドクリスタル」の塗装は、太陽光の下でその発色が際立って見える。ボディラインのコンタリングは従来モデルより控えめな印象だが、光の当たり方によってサイドパネルが表情豊かに見えるため、カラー選びが仕上がり感を大きく左右しそうだ。ホイールは17インチと19インチから選択可能で、グレードによってはブラック塗装の大径ホイールが標準装備となる。

ラゲッジスペースの大幅進化
実用面で特筆すべきは、ラゲッジルームの大幅な改善だ。通常時の容量は583Lを確保しており、先代から着実に拡大。荷物の積み込みしやすさという観点でも、床面が先代比で約18mm低くなり、かつフロア全体がフラットに設計されているため、重い荷物を持ち上げて乗せる必要がない点は実際の使い勝手に効いてくる。
動画では、ラゲッジフロアのカバーを取り外すことでスペースをさらに拡張できる機能や、後席を倒す際の操作性も確認できる。後席は40:20:40の分割可倒式で、倒す際にはラゲッジ側のハンドルを引くだけでワンタッチ操作が可能なため、荷室から手を伸ばすだけで完結する。フルで倒し時には巨大な空間が出現し、長尺物の積載やアウトドア活動にも対応できる。スペアタイヤは装備されないが、そのぶん床下スペースが有効活用できるよう設計されているとのことだ。

質感は上がった、でも惜しい操作系
インテリアは全体的に質感が向上している。上位グレードにはレザーシートが奢られ、電動調整機構も備わる。シートポジションの微調整が細かく行えるため、体型を問わずベストポジションを見つけやすいと動画では評価されている。ステアリングは手動調整式ながら調整幅は広く、大半のドライバーにとって不満のないポジショニングが可能だ。
一方で、ステアリングホイールに配置された操作スイッチには改善の余地を感じる部分もあると、CompleteCar.ieのレビューは指摘している。物理的に押し込む感触はあるものの、完全な物理スイッチとは異なるハプティック式であるため、手の感覚だけでボタンの位置を確認するのが慣れるまでやや難しいとのこと。慣れてしまえば問題にはならないだろうが、トヨタや欧州勢の一部モデルが採用する明確な物理スイッチの操作感と比較すると、好みが分かれる部分ではある。
デジタルメーターは10.25インチの大型ディスプレイを採用し、表示レイアウトは複数から選択可能。カラーのヘッドアップディスプレイも装備され、走行中の情報確認のしやすさは大きく向上している。
Roadly編集部コメント
Roadly編集部として率直に言えば、新型CX-5は「マツダらしさ」を失わずに実用性を大幅強化した、非常にバランスの取れた仕上がりという印象だ。同クラスのRAV4やCR-Vがファミリー需要に応える実力派として定着している中、新型CX-5はそこに「上質感」というアドバンテージを加えてきた。583Lのラゲッジや40:20:40分割シートといったファミリー向け機能の充実ぶりは、アウトドアや遠出が好きなドライバーにとって魅力的に映るはずだ。惜しむらくはステアリングスイッチの操作感など、細部の詰めに若干の粗さが残ること。ただ、これらは日常使いの中で慣れる部分でもある。コストパフォーマンスと品質感を重視するドライバー、あるいはドイツ車一辺倒に飽きを感じているSUVファンに特におすすめしたい一台だ。
全面刷新を遂げた2026年型マツダ CX-5は、進化の方向性は明確で、多くのドライバーにとって魅力的な選択肢となりそうだ。走りの詳細も含めた全容は、CompleteCar.ieの試乗動画でぜひ確認してほしい。
動画情報・出典
- タイトル:2026 Mazda CX 5 review | The new Mazda CX-5 is improved, but it’s not perfect
- チャンネル:CompleteCar.ie
- 動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=1cQ7UbiuF8g
本記事は上記動画の内容を元に、Roadly編集部が独自視点で再構成・執筆した解説記事です。動画および動画内の映像・音声・サムネイル画像の著作権は、投稿者である CompleteCar.ie に帰属します。動画本編の視聴は上記リンクよりご確認ください。
※本記事は情報提供を目的とした解説であり、商品・サービスの購入や投資判断を推奨するものではありません。