2027年型の電動Cクラスが正式に姿を現した。メルセデス・ベンツがフル電動セダンとして送り出す新世代Cクラスは、従来のガソリンモデルと並行して展開されるという独自路線を採用。一方、BMWも同時期に新型3シリーズ系の電動モデル「i3」を投入予定であり、プレミアムセダン市場では新たな電動対決の幕が上がろうとしている。ドイツ発の自動車専門チャンネル「Autogefühl」が公開した4K映像を元に、エクステリアからテクノロジーまで主要ポイントを整理する。
この動画のみどころ
- AMGラインプラス+ナイトパッケージ仕様の詳細エクステリアを4Kで確認
- 94.5kWhバッテリーと330kW急速充電に対応した充電スペック
- ツインモーター+2速トランスミッション採用で0-100km/h 4秒を達成
- BMW新型i3との加速・バッテリー容量・プラットフォーム戦略の比較
新世代デザインの読み解き方
Autogefühlの動画では、まず外観の細部から丁寧にウォークアラウンドが行われている。フロントグリルは大型でありながら完全クローズド構造を採用し、AMGラインプラス仕様ではダーククロームのアウトラインが周囲を引き締める。ヘッドライト内部にはスター形状の発光パターンが散りばめられており、Digital Lightオプション装着車では特有のブルー発光でひと目でわかる仕様となっている。
サイドビューは従来のCクラスより全長で約13cm延長されており、そのうちの大半がホイールベースの延長に充てられている。ただし後席の足元空間は先代からわずかしか広がっていないとのことで、これはEVとしては比較的長いフロントフードを維持したことが主な理由とされている。このデザイン上の選択は空力性能と独自のプレミアム感の両立を意図したものと動画では説明されている。
リアエンドにはEQシリーズでもお馴染みのブラックパネルデザインが採用されているが、動画内ではこのデザイン処理について「ボディカラーをそのまま使った方がより時代を超えた美しさが出たかもしれない」という見解も示されており、読者それぞれの受け取り方が分かれるところだろう。カラーラインナップにはラベンダー系の淡いパープルが用意されており、ポルシェでいうところの「プロヴァンス」に近い印象の洒脱な選択肢だ。

バッテリーと充電性能の実力
電動Cクラスのバッテリー容量は正味94.5kWhで、同じMBEAプラットフォームを共有する電動GLCと同等のユニットが搭載される。急速充電はDCで最大330kWに対応しており、動画では「10〜80%充電を最適条件下で約22分で完了できる」と紹介されている。なお電動GLCの実使用データでは瞬間的に350kW台に到達するケースも確認されているとのことで、電動CクラスについてもGLCと同様の実力を発揮する可能性がある。
AC普通充電は標準11kW、オプションで22kWに対応する。充電口はパッセンジャーサイドに配置されており、日常的な使い勝手という観点でもストレスは少なそうだ。
競合のBMW新型i3は108.7kWhという大容量バッテリーを搭載しており、単純な容量比較ではメルセデスが下回る。ただし航続距離の詳細については撮影時点では未公表とのことで、効率面での実力はWLTPデータの公開を待つ必要がある。大容量バッテリーを搭載しつつ大型化を抑えるか、最適化された小型バッテリーで航続を確保するか。この点がブランド間の哲学の違いを最もよく映し出している。

加速性能とプラットフォーム戦略
電動Cクラスの上位グレード「C400 エレクトリック」は、フロントとリアにそれぞれ1基ずつモーターを搭載するデュアルモーター構成を採用。注目すべきはトランスミッションで、電動車では珍しい2速ギアボックスが組み合わされている。通常走行では効率優先のため約70km/h付近で2速へシフトアップするが、スポーツ走行時には1速のまま100km/hまで引っ張ることで0-100km/hを4秒フラットで達成するという。
これに対し、BMW新型i3は1速固定のトランスミッションを採用しており、0-100km/hは4.7秒前後が予想されている。同じ電動SUVカテゴリで比較すると、電動GLCは4.3秒、BMW iX3は4.9秒という関係になる。小さなバッテリーながらより速い加速を実現した背景には、この2速ギアの存在が大きく関わっていると動画では分析されている。
プラットフォームについては、電動CクラスはMBEAプラットフォームを電動GLC と共有する一方、ガソリンエンジン搭載の現行Cクラスは別プラットフォームのまま並行生産が続けられる予定だ。BMWがガソリンモデルとEVを共通外装で展開する方針を取るのとは対照的で、両社の電動化戦略の根本的な考え方の違いが明確になっている。小型EVはMMAプラットフォームを採用するCLAが担う棲み分け構造となっており、メルセデスはより精緻なセグメント設計を志向しているといえる。

フランクと細部装備の注目点
電動Cクラスにはフロントトランク、いわゆる「フランク」が設けられている。動画では、メルセデスエンブレムを軽く押して離すと自動でリッドが開くギミックが紹介されており、洗練された演出として印象的だ。欧州仕様ではそのまま収納スペースとして活用できるが、北米仕様では安全規制の都合でスペーサーパーツが設置されるなど、地域ごとに仕様が異なる点も動画内で確認できる。
ホイールは18〜20インチを設定しており、AMGラインプラス+ナイトパッケージ装着車ではミラーキャップやロアバンパー部分もブラックアウトされる。リアにはAMGラインプラス専用のルーフスポイラーも追加されるが、動画では「空力的には必ずしも有利ではないかもしれない」という見方も示されており、あくまでスタイリングアイテムとしての位置づけが強そうだ。
まだ発表されていない公式CD値を含め、正式スペックの全容は今後の続報を待ちたいところだ。特に航続距離と日本導入時期については、多くのドライバーが関心を持つ情報であり、メルセデス・ベンツジャパンからの公式発表に注目したい。
Roadly編集部コメント
電動Cクラスで特に興味深いのは、メルセデスが敢えて「EQ」ブランドを廃し、従来の車名に戻すという決断をした点だ。EQ系モデルが欧州市場で期待ほどの販売台数を上げられなかった事実を踏まえれば、この命名戦略の転換は相当な意思決定といえる。プレミアムセダンの電動化においてブランドの連続性を重視するか、EVとしての独立性を強調するかは、メーカーごとに答えが分かれる難問だ。加速性能のアドバンテージを持ちつつバッテリー容量ではBMW i3に劣る構成は、「より小さく、より軽く、より速く」を旨とするメルセデスの判断の現れともいえる。Cクラスという歴史あるネームプレートを持つこのモデルが、プレミアムEVセダン市場にどう切り込むか、引き続き注目していきたい。
2027年型電動Cクラスはデザイン、テクノロジー、プラットフォーム戦略のすべてで興味深い選択が重なっている。詳細なスペックや実際の走りの質感はAutogefühlの動画でじっくり確認してほしい。今後の公式発表にも目が離せない。
動画情報・出典
- タイトル:all-new Mercedes C-Class REVEAL 2027 (electric C-Class) – this instead BMW i3?
- チャンネル:Autogefühl
- 動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=eFxdCbTM1lk
本記事は上記動画の内容を元に、Roadly編集部が独自視点で再構成・執筆した解説記事です。動画および動画内の映像・音声・サムネイル画像の著作権は、投稿者である Autogefühl に帰属します。動画本編の視聴は上記リンクよりご確認ください。
※本記事は情報提供を目的とした解説であり、商品・サービスの購入や投資判断を推奨するものではありません。