レクサスが長年にわたり育ててきた「ES」という名前が、新型で大きな転換点を迎えた。全長は先代比で約16.5cm延長され、5m14cmという堂々たるボディに成長。従来のESとLSの中間を埋める新フラッグシップセダンとして、BMWやメルセデス・ベンツ、アウディといったドイツプレミアムブランドに真っ向から挑む一台だ。パワートレインはフル電動のEVと、レクサスお得意のインブリッドハイブリッドの2本立て。欧州最大手の自動車レビューチャンネルであるAutogefühlが4K映像で丁寧に紹介するこの動画は、新型ESの全貌を把握するうえで必見のコンテンツとなっている。
この動画のみどころ
- 先代比+16.5cmのボディ拡大で、ESとLSの中間という新ポジションを確立
- EVとハイブリッドの2パワートレイン構成、外観デザインはほぼ共通
- EV版はフロントWD「350e」とAWD「500e」の2グレード展開、AWDは0-100km/h 5.5秒
- EVバッテリー容量と充電速度に編集部も注目、ライバルとの差が議論の焦点に
ESがLSを飲み込んだ理由
新型レクサスESの最大のトピックは、そのサイズの大幅拡大にある。Autogefühlのレビュー動画では、全長が先代に対して約16.5cm伸びて5m14cmになったことが真っ先に紹介されている。この数字は従来のESより明らかに大きく、かつレクサスの最上位セダンであるLSよりも短い。つまり新型ESは2つのモデルの中間を狙って設計されており、同ブランドにとって実質的な新フラッグシップの役割を担う一台と位置づけられている。
ドイツ勢との比較でいえば、BMWでいう5シリーズと7シリーズの間、メルセデスではEクラスとSクラスの間というゾーンに収まるイメージだ。このポジショニングは、プレミアムセダン市場において「ちょうどよいサイズの上質な一台」を求めるドライバー層に強く刺さる可能性がある。ホイールは19インチと21インチから選択でき、乗り心地重視なら19インチが有利。ただし、アダプティブサスペンション(AVS)は最上位グレードのEVにのみ設定されている点は注意が必要だ。

EV vs ハイブリッド、パワートレイン比較
新型ESのパワートレインは2系統に分かれる。電動モデルはフロントWDの350eとAWDの500eが用意されており、AWDモデルはリアにモーターを追加した構成で、0-100km/hを5.5秒でこなすという。一方でハイブリッドモデルは全グレードが同じく8秒前後の加速性能となっており、性能面でのインパクトを求めるなら電動AWDが一択となる。
ハイブリッドは、トヨタ・レクサスが長年磨き続けてきた2.5リッター4気筒システムを採用。出力は200馬力と250馬力の2仕様が設定され、高出力版は北米市場向けの色が強いとのことだ。燃費性能や信頼性においては、このハイブリッドユニットが依然として大きなアドバンテージを持つことは間違いない。
動画内では、電動モデルのバッテリー容量について率直な見解が示されている。フロントWDの350eには72kWh、AWDの500eには71kWhのバッテリーが搭載され、サプライヤーの違いにより容量がわずかに異なるという興味深い構造になっている。充電機能については、AC22kWの普通充電と、DC最大150kWの急速充電に対応。10〜80%の充電にかかる時間は約28分とされている。なお、フロントのノーズ部分にはフランク(フロントトランク)は設けられておらず、ウォッシャー液補充や低圧バッテリーへのアクセス程度の利用にとどまる。

EVバッテリーの小ささは弱点か
Autogefühlのレビューで特に議論を呼んでいるのが、EVモデルのバッテリー容量と充電性能だ。全長5m超の大型セダンに対して、71〜72kWhというスペックは競合他社と比べると見劣りするとの指摘が動画内で繰り返されている。例えばメルセデスのより短いボディを持つCLAでさえ85kWhを搭載しており、BMWの同クラス電動モデルは90kWhに迫る容量を誇る。
加えて、DC最大150kWという充電速度は2025年現在の新型EVとしては最先端とは言い難く、「充電技術が時代に追いついていない」という評価もなされている。レクサス側はグローバル市場での適切な選択として、また電池の長期耐久性を重視した結果としてこの仕様を選んだと説明しているという。さらにフリート需要やタクシー・ライドシェアといった短距離多頻度利用を想定しているとも動画では紹介されている。
Roadly編集部としては、この判断がレクサスらしい「信頼性最優先」の哲学の表れとも読めると見ている。ロングドライブでの電費や航続距離に対してシビアな目線を持つドライバーにとっては、ハイブリッドモデルを選ぶ合理的な理由になるかもしれない。最高速度もEVモデルは160〜180km/hに制限されており、欧州高速道路での余裕という意味でも差がある。

デザインと装備、外観の見どころ
新型ESの外観は、EVとハイブリッドでほぼ同一のシルエットを持つ。動画では「ウェーブレングス」と呼ばれるブルーがかった独自色が紹介されており、光の当たり方によって表情を変えるトーンが印象的だ。フロントの刀をモチーフにしたとも解釈できる鋭角的なデイタイムランニングライトデザインは、レクサスが近年貫くサムライフォルムの流れを汲んでいる。グレードによってはマトリクスLEDにも対応する。
ボディサイドには、伸びやかなセダンラインの中に黒いカット要素が施されており、クラシックとドラマチックを同居させた独特のデザイン言語が随所に見られる。レクサスのロゴについては、バッジではなくレタリング(文字)での表現を採用しており、こうした細部の処理にもブランドの方向性が反映されている。
充電口は助手席側フロントフェンダーに配置されており、実用性を考えた場合の使いやすさも動画内で確認できる。全体的に「プレミアムブランドとしての品格」と「新しい時代への挑戦」のバランスを取ろうとした設計意図が随所ににじみ出ている一台という印象だ。
Roadly編集部コメント
新型レクサスESは、ES・LSという2つの名車を融合させた野心的な一台だ。デザインの完成度や静粛性、レクサスブランドが積み上げてきた信頼性は、引き続き強力な武器になるだろう。一方でEVとしての航続距離・充電性能という土俵では、BMW i5やメルセデスEQEといったライバルに対して明確なビハインドがあることは否めない。「プレミアムEV」を純粋に求めるなら今の時点ではドイツ勢に軍配が上がる。ただし、ハイブリッドモデルに目を向ければ話は変わる。レクサス独自のインブリッドシステムが生み出す燃費性能と滑らかさは、国産プレミアムの真骨頂であり、長距離ドライブでも給油一本でカバーできる実用性は大きな強みだ。ドライブ好きなら、まずハイブリッドを試乗候補筆頭に置きたい。
新フラッグシップという立場で登場した新型レクサスESは、選ぶパワートレインによって全く異なる性格を見せる一台だ。Autogefühlの詳細な試乗動画で実際の走りや内外装を確認し、購入判断の参考にしてほしい。
動画情報・出典
- タイトル:all-new Lexus ES driving REVIEW 2027 EV vs Hybrid – ES and LS in one car to beat Audi BMW Mercedes?
- チャンネル:Autogefühl
- 動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=6UbO4RaVOS4
本記事は上記動画の内容を元に、Roadly編集部が独自視点で再構成・執筆した解説記事です。動画および動画内の映像・音声・サムネイル画像の著作権は、投稿者である Autogefühl に帰属します。動画本編の視聴は上記リンクよりご確認ください。
※本記事は情報提供を目的とした解説であり、商品・サービスの購入や投資判断を推奨するものではありません。