2026年型レクサス IS350 F Sport 大幅改良の中身と気になる新機能を徹底解説
カーレビュー

2026年型レクサス IS350 F Sport 大幅改良の中身と気になる新機能を徹底解説

2026.05.15

2026年型レクサス IS350 F Sportがマイナーチェンジを受け、カナダの人気カーレビューチャンネル「TheStraightPipes」がいち早く試乗インプレッションを公開した。排気量3.5リッターV6エンジンを継続採用しながら、インフォテインメントや安全装備を中心に手が加えられた今作。しかし、歴代ISファンが愛してきたアナログ感あふれる「物理的に動くメーターギミック」が廃止されるなど、アップデートの内容は手放しに歓迎できるものばかりではないようだ。改良の全貌と、実際に乗って見えてきた課題を整理する。

この動画のみどころ

パワートレインと走りの変化

2026年型IS350 F Sportは、従来から継続する3.5リッターV6エンジンを搭載し、最高出力311馬力、最大トルク280ポンドフィート(約380Nm)を発揮する。数字の上では先代から目立った変化はないが、TheStraightPipesの動画では、ATのシフトプログラムが大幅に見直された点が高く評価されている。

ノーマルモードでフルスロットルを踏み込んだ際の応答性は先代より格段に向上しており、スポーツモードに切り替えずとも気持ちのよい加速が得られるようになったという。アクセル操作からキックダウンまでのタイムラグが短縮されたことで、日常域でのドライバビリティが底上げされた印象だ。

これはISシリーズが得意としてきた「スポーティな乗り味をさりげなく日常に溶け込ませる」という方向性をさらに突き詰めた進化と言える。V6継続搭載に対してはファンの間でも賛否があるが、少なくともトランスミッションの熟成という点では確実に前進している。

パワートレインと走りの変化

物理メーターの廃止とデジタルクラスターの課題

歴代ISファンにとって最も衝撃的な変更点は、メーターギミックの廃止だろう。かつてレクサス IS(そしてLFAでも話題になった)のドライブモード切り替えに連動して物理的にパネルが動くアナログ演出は、デジタルが全盛の時代に逆行する独自の「体験」として根強い支持を集めてきた。

2026年型では完全デジタルのゲージクラスターへと刷新されたが、動画ではその応答性の低さが指摘されている。エンジン回転数の上昇に対してタコメーターの表示が明らかに遅れており、実際の走行感覚と視覚情報がずれてしまうという。アナログ針なら当然ゼロレイテンシーで追従するはずの動きが、デジタル化によって逆に劣化した格好だ。

また、トラクションコントロールをオフにした際に表示されるアイコンがメインのメーター表示エリアに重なってしまい、ギア表示などの重要情報が見づらくなるという実用上の問題も動画内で確認できる。サーキット走行を視野に入れているドライバーにとっては、これは見過ごせない退化と言わざるを得ない。UI設計の優先順位について、改めて議論が必要な部分だ。

物理メーターの廃止とデジタルクラスターの課題

サウンドエフェクトとプライバシー問題

走行モードによってエンジンサウンドを演出するシステム自体は今や珍しくないが、2026年型IS350のそれはかなり主張が強い。スポーツプラスモードでは車内スピーカーを通じてかなりの音量の演出サウンドが流れ、動画内でも試乗者が驚く様子が映っている。ただし、音量設定はハイ・ミディアム・ロー・オフの4段階から選べるため、オフに設定すれば問題ないという点で救いはある。

サウンド演出については好みが大きく分かれるところだが、走りの本質とは切り離して考えれば「あれば使える」オプション的機能と割り切れるだろう。一方で、より深刻なのが新たに追加されたドライバーモニタリング機能だ。

動画によれば、設定メニューの中に「渋滞時アシスト中にドライバーの状態をカメラで記録することを許可するか」を選択する項目が存在することが紹介されている。渋滞追従機能の精度向上や安全確保のための仕様と思われるが、車内カメラの映像が記録・利用される可能性があるという点は、プライバシーを重視するドライバーにとって無視できない要素だ。購入前にはこの設定内容を必ず確認しておきたい。

サウンドエフェクトとプライバシー問題

内装の仕上がりと360度カメラ

ネガティブな話題が続いたが、インテリアの質感については動画内でも好意的に評価されている。深みのある赤系インテリアカラーは視覚的なインパクトがあり、高級スポーツセダンとして相応しいムードを演出している。また、ピアノブラックが多用される昨今のトレンドとは一線を画す内装素材は、指紋や傷が目立ちにくい点でも実用的との見方がある。

新たに追加された360度カメラ機能は、俯瞰視点を含む多方向からの映像表示が可能。ただし、動画では「非オフロード車のアンダービュー映像にどれだけ需要があるか」という疑問も呈されており、カメラ性能そのものよりも機能の優先順位について問いかけている点が興味深い。確かに、IS350のようなスポーツセダンのユーザーが俯瞰カメラを使う場面は限定的であり、その開発コストが他の機能改善に回せたのではという意見はごもっともだろう。

トラフィックジャムアシストの動作精度については、実際の渋滞走行での挙動が動画内で確認でき、おおむね安定して機能していたとの評価が伝えられている。

Roadly編集部コメント

Roadly編集部としては、今回の2026年型IS350 F Sportのアップデートを「一歩前進、半歩後退」と評したい。トランスミッションの熟成は明確に体感できる進化であり、日常での扱いやすさは向上している。しかし、長年ISシリーズのアイデンティティとなっていた物理的なギミックを廃止し、それを上回る体験を提供できていないのは残念だ。

BMW 3シリーズやメルセデス・ベンツ Cクラスなど強力な競合がソフトウェア面でも急速に進化する中、レクサスらしい「アナログ的こだわり」を捨てることなくデジタルと共存させる道を探ってほしかった。ISシリーズに思い入れのあるドライバーほど、試乗してから購入を判断することを強くすすめたい。

進化と引き換えに失われたものも少なくない2026年型IS350 F Sport。TheStraightPipesの動画では実際の走行シーンを交えながら改良点と課題が丁寧に検証されているので、購入検討中のドライバーはぜひ参考にしてほしい。

動画情報・出典

本記事は上記動画の内容を元に、Roadly編集部が独自視点で再構成・執筆した解説記事です。動画および動画内の映像・音声・サムネイル画像の著作権は、投稿者である TheStraightPipes に帰属します。動画本編の視聴は上記リンクよりご確認ください。

※本記事は情報提供を目的とした解説であり、商品・サービスの購入や投資判断を推奨するものではありません。

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