メルセデス・ベンツが満を持して投入する新世代GLBは、単なるマイナーチェンジではなく、プラットフォームから刷新された本格フルモデルチェンジだ。ボディサイズの拡大、800V対応の超急速充電、そしてEV版をEQBとは呼ばず「GLB」として統一するネーミング戦略の変更など、変革点は多岐にわたる。ドイツの著名自動車チャンネル「Autogefühl」がEV仕様のトップグレード「GLB 350 4MATIC」に試乗し、内外装から走行性能まで丁寧に検証した動画は、このモデルの購入を検討しているドライバーにとってまさに必見の内容となっている。
この動画のみどころ
- EQBからGLBへ:EVも含めてモデル名を統一した新ネーミング戦略の背景
- 800V/最大320kW対応の急速充電システムで10〜80%をわずか22分でこなす実力
- 新プラットフォームによるホイールベース延長で7人乗りがより快適・乗降しやすく進化
- 物理ローラースイッチ復活のステアリングと3面大型スクリーンで刷新された最新コックピット
外装デザイン:箱型ボディの進化
新型GLBの外観でまず目を引くのは、全長4,732mmへと拡大されたボディサイズだ。従来型比でひと回り大きくなり、特にホイールベースの延長は室内空間に直結する重要な変更点となっている。
フロントグリルはEV仕様では特徴的なマスクデザインを採用し、イルミネーションスターをあしらったLEDストリップが上部に走る。マルチビームLEDヘッドライトの中央には三叉スターを象ったデイタイムランニングライトが配置され、ブランドアイデンティティを前面に打ち出したデザインとなっている。Autogefühlの試乗動画では、コスモスブラックマグノ(艶消し黒)のAMGラインパッケージ仕様が登場しており、AMG専用バンパーや20インチブラックホイールとの組み合わせが際立つ存在感を放っている様子が確認できる。
リアデザインは垂直Lシェイプと水平ライトバーの組み合わせで、メルセデス三叉スターをLEDに組み込む手法はフロントと共通だ。GLS譲りのボクシーなシルエットは空力的には不利でも、3列シート・大容量荷室という実用性を優先した結果であり、ファミリー向けプレミアムSUVとしての方向性は新型でも揺るぎない。フラッシュドアハンドルはポップアウト式で採用されているが、動画内では「そろそろ廃れていく技術」として言及されており、次世代では変化がある可能性も示唆されている。

パワートレインと充電性能
今回のレビュー車両はEV仕様のトップグレード、GLB 350 4MATICだ。フロントとリアそれぞれに電動モーターを搭載するフルタイム4WD構成で、システム最高出力は260kW。0〜100km/h加速は5.5秒、最高速度は210km/hに設定されている。トーイング能力は最大2,000kgに達し、フルサイズのキャラバンを牽引できる実用性も備える点は、アウトドア派のドライバーには刺さるスペックだろう。
バッテリーは58kWhと85kWhの2種類から選択可能(いずれも正味容量)。最大の注目点は800Vシステムアーキテクチャの採用で、DC急速充電は最大320kWに対応する。動画では、10〜80%充電が約22分で完了し、10分の充電で約260kmの走行距離を補充できるというデータが紹介されている。400Vアーキテクチャを採用する競合モデルとの差は明らかで、長距離ドライブにおける充電ストレスの軽減という観点で大きなアドバンテージとなる。
一方で内燃エンジン仕様やマイルドハイブリッド仕様も引き続きラインナップに加わる予定とされており、グレード間でも「GLB」に統一されたネーミングによりユーザーが混乱しないかは今後の販売戦略の鍵になりそうだ。

インテリアとインフォテイメント
新型GLBのキャビンに乗り込んで最初に視線を奪うのは、中央に鎮座する3面の大型スクリーン群だ。ドライバー正面のデジタルインストルメントクラスター、14インチの中央インフォテイメントスクリーン、そしてオプションで追加できる14インチのパッセンジャーディスプレイが横一線に並ぶ構成は、まるでラグジュアリーリムジンのコックピットを連想させる。
Autogefühlの動画内で特に好意的に取り上げられているのが、ステアリングホイール上のコントロール周りの改善だ。従来のタッチ式スライダーから物理ローラースイッチへと回帰しており、ボリューム調整やアダプティブクルーズコントロールの設定が直感的に操作できるようになった。この変更はメルセデスだけでなく業界全体のトレンドとも合致しており、走行中の安全性向上にも貢献する。
インフォテイメントシステムは「ゼロレイヤー」コンセプトをベースに改良を加えており、スマートフォン感覚でアプリのダウンロードや配置変更が可能だ。Apple CarPlayおよびAndroid Autoにも対応し、ソフトウェアのOTAアップデートにも対応している。ただし一部機能はソフトウェアロックされており、追加料金でアンロックする課金モデルが採用されている点は、購入前に確認しておきたいポイントだ。
一方、フロントウインドウスイッチのレイアウトについては動画内でやや批判的に触れられており、リアウインドウを個別操作するためにモード切替が必要な設計は、日常使いで煩わしさを感じさせる可能性がある。細部の使い勝手については、実際に試乗して確かめることをお勧めしたい。

3列シートと後席居住性
GLBが競合他社のコンパクトプレミアムSUVと一線を画す最大の特徴が、コンパクトクラスでの7人乗り対応だ。新型では新プラットフォームによるホイールベースの延長によって中間列のレッグルームが拡大している。さらにリアドアのオープニングが従来型より大幅に広がったことで、最後列への乗降性も改善されたと動画内で確認できる。
注目すべきは、EV仕様の350 4MATICでも3列シート仕様を選択できる点だ。大容量バッテリーを床下に搭載するEVアーキテクチャと7人乗りを両立させることは設計上の難題だが、新プラットフォームによってこれを実現している。競合のアウディQ4 e-tronやBMW iX1が5人乗りにとどまるなか、GLBのこの実用性は同クラスにおける独自のポジションを確立するうえで大きな武器となりそうだ。
ファミリー用途や多人数乗車を想定しているドライバーにとって、プレミアムブランドのEVで7人乗りという選択肢はほぼGLBの独壇場に近い。実際の後席快適性や荷室との兼ね合いについては、より詳細な長距離レポートで検証していきたい。
Roadly編集部コメント
Roadly編集部としては、今回の新型GLBで特に評価したいのが「800V充電×7人乗りEV」という組み合わせだ。充電速度の面でアウディQ4 e-tronやBMW iX1に対して明確なアドバンテージを持ちながら、コンパクトSUVの枠内でファミリー実用性を担保しているモデルは現時点でほとんど存在しない。ステアリングの物理ボタン回帰も、走行中の操作性を重視するドライバーには朗報だ。気になる点はフロントウインドウスイッチの操作性と、機能のサブスクリプション解放モデルの透明性。日本市場での価格設定と標準装備の内容が今後の判断材料になりそうだ。Autogefühlの試乗動画は実車の質感や挙動が映像でしっかり確認できる内容なので、購入を検討している方にはぜひあわせて視聴してほしい。
新プラットフォーム、EV統合ネーミング、800V超急速充電と、新型GLBは多くの刷新点を抱えてデビューする。実際の走行フィールや充電性能の詳細はAutogefühlの試乗動画で確認し、購入の判断材料としてほしい。Roadlyでも続報をお届けしていく予定だ。
動画情報・出典
- タイトル:all-new Mercedes GLB driving REVIEW (2027) with GLB EQ (EV)
- チャンネル:Autogefühl
- 動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=RfFRMfVJvyQ
本記事は上記動画の内容を元に、Roadly編集部が独自視点で再構成・執筆した解説記事です。動画および動画内の映像・音声・サムネイル画像の著作権は、投稿者である Autogefühl に帰属します。動画本編の視聴は上記リンクよりご確認ください。
※本記事は情報提供を目的とした解説であり、商品・サービスの購入や投資判断を推奨するものではありません。