ランボルギーニ ウルスSEペルフォルマンテ発表|歴代最速スーパーSUVが2026年に頂点へ
カーレビュー

ランボルギーニ ウルスSEペルフォルマンテ発表|歴代最速スーパーSUVが2026年に頂点へ

2026.07.01

2026年7月1日、イタリア・サンタガタ・ボロネーゼからランボルギーニが歴代最強のスーパーSUVを発表した。その名は「ウルスSEペルフォルマンテ」。プラグインハイブリッドモデル「ウルスSE」をベースに、カーボンファイバーの多用・新世代エアサス・革新的ブレーキシステムを組み合わせ、0-100km/h 3.3秒・最高速312km/hという数値を実現。「世界最速のスーパーSUV」を自認する一台だ。日本導入時期・国内価格はともに未発表だが、その圧倒的なスペックと新技術の詳細はいますぐ知っておく価値がある。

この記事のポイント

歴代最速ウルスが誕生した背景

ランボルギーニのスーパーSUV史は、40年前のLM002にまで遡る。大排気量V12を積んだLM002が市販4WDの概念を刷新し、ランボルギーニはSUVというカテゴリーに独自の遺伝子を植え付けた。現代のウルスは2012年北京モーターショーでのコンセプト公開を経て2017年に量産を開始。2022年に高性能版「ペルフォルマンテ」が追加され、2024年にはPHEVの「ウルスSE」が電動化戦略の核として登場した。

そして今回、そのウルスSEをさらに磨き上げた「ウルスSEペルフォルマンテ」が発表された。CEOのシュテファン・ヴィンケルマン氏は「40年前にLM002でスーパーSUVという概念を生み出し、今日ウルスSEペルフォルマンテでその概念を頂点へ引き上げる」とコメント。単なるスペックアップではなく、ブランドの歴史的文脈においても重要な意味を持つモデルとして位置づけられている。

なお現時点では発売前・型式認証段階であり、グローバルでも価格は未発表。日本導入時期・国内価格についても情報は出ていない。

歴代最速ウルスが誕生した背景

812CVを生む「デュアルハート」PHEV

心臓部は4.0リッターツインターボV8と永久磁石式同期電気モーターを組み合わせた「デュアルハート」構成だ。V8単体で620CV・最大トルク800Nmを発生し、レブリミットは6,800rpm。電気モーターはピーク141kW・483Nmを上乗せし、システム総合で812CV(596kW)・最大トルク1,000Nmという数値に達する。先代ウルス・ペルフォルマンテに対してパワーは146PS増、トルクは150Nmの上乗せだ。

電気モーターはトランスミッション上流に配置することで全域ブーストを実現。バッテリーは25.9kWhのリチウムイオン(角型セル)で、荷室下に搭載して低重心化を図っている。EV走行は60km超、EV時の最高速は130km/h超を確保しており、日常使いでの電動走行も現実的な選択肢となる。8速ATはソフトウェアを専用リキャリブレーションして応答時間を短縮。電子制御センタークラッチのAWDにトルクベクタリング付きリヤLSDを組み合わせ、「オンデマンド」でオーバーステアを演出できる設計としている。

812CVを生む「デュアルハート」PHEV

0-100km/h 3.3秒を支えるシャシー新技術

公式発表によれば、0-100km/h 3.3秒・0-200km/h 10.8秒・最高速312km/h・200-0km/h制動130m未満という性能数値を実現している。これを陰で支えるのが複数の新技術だ。

まず注目したいのが、ウルスシリーズに初導入された「AURA」アーキテクチャのデュアルチャンバーエアサスペンション(2チャンバー2バルブ構成)だ。圧側・伸び側を独立制御するデュアルバルブダンパーと組み合わせることで、スポーツ走行時のロール勾配を55%低減しながら、快適走行時の振動は先代ペルフォルマンテ比で25%低減している。相反するスポーツ性と快適性を同時に高めた点は特筆に値する。

ブレーキシステムも刷新された。新採用の「IPB(インテグレーテッド・パワーブレーキ)」は従来のABSにあったオン・オフ制御を廃し、各キャリパーを連続制御する方式。制動力は先代ペルフォルマンテ比で10%向上し、応答性は12%速くなった。フロント440mm・リヤ410mmのカーボンセラミックディスクと組み合わさり、高速域からの制動でも安心感をもたらす構成だ。さらに車両重心近くに6自由度センサーを搭載し、ピッチ・ロール・ヨーの角速度と3軸加速度をリアルタイムで統合制御する。このセンサーはワンオフモデル「フェノメノ」(2025年モントレー/ペブルビーチで公開)由来の技術で、IVC(統合車両制御)と連携して横方向安定性と車両応答速度を6%高速化している。

0-100km/h 3.3秒を支えるシャシー新技術

32kg軽量化とカーボン全面活用

812CVのパワーを活かすには重量との戦いも避けられない。ウルスSEペルフォルマンテのホモロゲーション重量は2,473kgで、ベースのウルスSEから32kgの削減を達成した。これによりパワーウェイトレシオは3kg/CVとなり、この車格では随一の数値だという。

軽量化の内訳を見ると、Akrapovičと共同開発したチタン製スポーツエキゾーストが単体で10kg超の削減に貢献している。IPBの導入で4kg、NVHパッケージの最適化で3.3kg、CorsaTex内装材の採用で2.7kgをそれぞれ削減している。

ボディへのカーボンファイバー使用はウルス史上最多規模だ。フロントフード・ルーフ・ホイールアーチ・サイドスカート・リヤディフューザー・前後バンパーと、車体の主要パネルを広くカーボンで構成。デザインディレクターのミチャ・ボルケルト氏は「ペルフォルマンテは純粋に性能から着想を得た『アドレナリンに形を与える』哲学の体現であり、カーボンファイバーの露出が多いほどスーパースポーツらしさを強調できる」と語っている。

32kg軽量化とカーボン全面活用

新モード「Rally」と空力の進化

ドライブモードの構成も刷新されている。ウルスSEが持つStrada(快適)・Sport・Corsa(サーキット)・EVの4モードに加え、新たに「Rally(ラリー)」モードが追加された。ダート・グラベル・オフロードを想定したセッティングで、高性能スーパーSUVとして舗装路外での走破性も高次元に追求している点は興味深い。さらにHybrid・Recharge・Performanceという3つのEPS(エレクトリック・パフォーマンス・ストラテジー)を中央コンソールの「Tamburo」セレクターで組み合わせることができ、走行シーンに応じた細かなセッティングが可能だ。

空力面では、ウルスSE比で空気抵抗を3%低減しながらダウンフォースは23%向上させた。先代ペルフォルマンテとの比較ではCd値は同等ながらダウンフォースは16%増し、特にフロントダウンフォースは22%増加している。ボンネットに設けた大型Sダクトエアインテークは、フロントの視覚的なスポーティさを演出すると同時に、冷却効率向上という実機能を担う。ウルス史上最大のリヤディフューザーと上下2枚のカーボンリヤスポイラーも加わり、高速安定性に直結するダウンフォースを稼いでいる。

新モード「Rally」と空力の進化

「パイロット気分」のコックピットと官能サウンド

内装は「Feel like a Pilot(パイロットのように感じる)」をコンセプトに掲げる。サステナブル素材「CorsaTex by Dinamica」を基調とし、Y字モチーフと赤の差し色を随所に配置。航空機由来のメカニカルボタンパネルが機能美を添える。12.3インチのセンタータッチスクリーンにはRevuelto由来のグラフィックを採用したLamborghini Infotainment System(LIS)が搭載され、12.3インチのデジタルメーターと専用テレメトリーも備わる。カーボンベゼルの新型ステアリングも専用品だ。

サウンドのチューニングも抜かりない。チタン製マフラーは左右バンクを「Xクロス」接続せず2系統独立化することで、V8の咆哮をよりダイレクトに伝える設計だ。テールパイプはメイン65mmとセカンダリー76mmで径を差別化し、サイレンサー内の2つのヘルムホルツ共鳴器(124Hz・128Hz)が音質を整える。エンジン始動時には一時的に2,400rpmまで吹け上がる「オーバーシュートアットスタート」演出もあり、始動の瞬間からドライバーの気分を高める。Sportモードでは長く滑らかなバブリング、Corsaモードでは短く鋭く頻繁なバブリングと、走行モードごとにサウンドキャラクターも変化する。

ホイールは新デザインの23インチ(インターセクティングYスポーク)を採用し、標準タイヤはPirelli P Zero(フロント285/35 ZR23・リヤ325/30 ZR23)。サーキット走行向けにはBridgestone Potenza Race(セミスリック)の選択肢も用意されている。

「パイロット気分」のコックピットと官能サウンド

主要諸元

項目 ランボルギーニ ウルスSEペルフォルマンテ
エンジン 4.0L ツインターボV8+永久磁石式モーター(プラグインハイブリッド)
システム総合出力 812CV(596kW)/6,000rpm
最大トルク 1,000Nm(2,000〜5,500rpm)
V8単体出力/トルク 620CV(456kW)/800Nm
電気モーター 141kW・483Nm
バッテリー 25.9kWh リチウムイオン
EV走行距離 60km超(EV時最高130km/h超)
トランスミッション/駆動 8速AT/AWD(トルクベクタリング)
0-100km/h 3.3秒
0-200km/h 10.8秒
最高速度 312km/h
200-0km/h 制動 130m未満
車両重量 2,473kg(パワーウェイトレシオ 3kg/CV)
全長×全幅×全高 5,117×2,031×1,638mm(ホイールベース3,003mm)
ブレーキ カーボンセラミック(フロント440mm/リヤ410mm)
ホイール/タイヤ 23インチ/前285/35 ZR23・後325/30 ZR23(Pirelli P Zero)
主な新機構 AURAデュアルチャンバー・エアサス、6Dセンサー+IPB、Rallyモード

数値はメーカー公式発表値。本モデルは発売前(型式認証段階)で価格は未発表。日本導入時期・国内価格ともに未発表。2026年7月時点。

Roadly編集部コメント

812CVのPHEVスーパーSUVというだけで十分すぎるインパクトだが、Roadly編集部が特に注目するのはAURAエアサスによる「ロール55%低減+乗り心地25%改善」という相反する二つの数値だ。ポルシェ・カイエンGTS、アストンマーティンDBX707といったライバルたちもここ数年でサーキット性能を大幅に引き上げているが、2,473kgという車重でパワーウェイトレシオ3kg/CVを達成しつつ日常快適性を維持できているなら、スーパーSUVというジャンル全体の常識を塗り替えかねない。新設のRallyモードはオフロード好きにも訴求でき、サーキットからグラベルまで一台で完結させたいというユーザーに刺さるはずだ。

歴代最速・最強のウルスとして発表されたウルスSEペルフォルマンテ。現時点では価格・日本導入時期ともに未発表だが、スペックと新技術の完成度は今後の続報に期待を高めさせる。

情報源・出典

本記事は上記のメーカー公式プレスリリースを情報源として、Roadly編集部が事実情報を再構成・独自視点で執筆した解説記事です。プレスリリースの文章・構成・画像を複製したものではありません。詳細は上記リンクよりご確認ください。

※本記事は情報提供を目的とした解説であり、商品・サービスの購入や投資判断を推奨するものではありません。スペック・価格・発売時期等は変更される場合があります。

TAGS
Drive Route Media
Weekend, where to drive?
ルートを探す