2026年7月22日、日産自動車はNISMOブランドの最新ロードカー「日産リーフ NISMO」を発表・即日発売した。ベースとなるのは2026年1月に日本市場へ投入されたばかりの3代目新型リーフ。グローバルで約70万台を販売してきた電動車の系譜に、モータースポーツ由来のNISMOチューニングを融合させたこのモデルは、EVの「気持ちよさ」を本気で突き詰めた一台だ。グレードはB5 NISMO・B7 NISMO・B7 NISMO RECARO装着車の3種類。価格帯は660万円台から720万円台と、本格スポーツカーに匹敵する価格設定が話題を呼んでいる。
この記事のポイント
- 3代目新型リーフをベースに、NISMOのモータースポーツ知見を凝縮した走りを実現
- B7系は最高出力160kW・最大トルク355Nm、B5は130kW・345Nmと異なるスペック構成
- EV NISMOとして初採用の回生ブレーキコントロールパドルや、ミシュランPilot Sport 5を標準装備
3グレード構成の全貌とスペック
日産の公式発表によれば、「日産リーフ NISMO」は3つのグレードで展開される。まず注目したいのはモーター出力の違いだ。「B7 NISMO」と「B7 NISMO RECARO装着車」は最高出力160kW・最大トルク355Nmを発揮し、車両重量はそれぞれ1,920kgと1,900kg、パワーウェイトレシオは12.0kg/kWと11.9kg/kWとなる。一方、エントリーグレードの「B5 NISMO」は最高出力130kW・最大トルク345Nmで車両重量1,820kg、パワーウェイトレシオ14.0kg/kWとなる。
全グレード共通のスペックとして、全長4,415mm・全幅1,810mm・ホイールベース2,690mm・最低地上高135mm、タイヤサイズは235/45 R19(8.0Jリム)。駆動方式は全グレード2WDだ。全高は全グレード1,550mmで統一されているが、B7 NISMOにプロパイロット2.0を装着する場合のみ1,565mmとなる点も覚えておきたい。
価格(全国希望小売価格・消費税込み)はB5 NISMOが6,601,100円、B7 NISMOが6,952,000円、B7 NISMO RECARO装着車が7,227,000円。なお、本モデルは持込み登録車として日産モータースポーツ&カスタマイズ株式会社(NMC)が取り扱う。

NISMOチューニングが作り出す走り
開発コンセプトは「駿足のインテリジェント スポーツクロスオーバー」。NISMOのロードカーが共通して追求する「より速く、気持ち良く、安心して走れるクルマ」という思想を、EV特有のトルク特性と組み合わせて具現化している。
サスペンション面では、スプリングやスタビライザーだけでなく、メンバーブッシュの一部にもNISMO専用部品を投入。エクストレイル NISMOと同様のスウィングバルブ付きショックアブソーバーを採用し、コーナリング初期のロールを抑えながら路面追従性を確保した。日常域のクルージングからワインディングまで、シーンを選ばない懐の広さを目指した設定といえる。
タイヤはミシュランの「Pilot Sport 5」を選択。スポーツタイヤとしての高いグリップ力と操縦安定性を、エンケイ製19インチアルミホイールと組み合わせることで引き出す。軽量・高剛性なホイールはバネ下重量の低減にも寄与し、EVの重量ハンデをカバーする狙いが見える。
ドライブモードはベースモデルの4モードのうちSTANDARD・ECO・SPORTをNISMO専用チューニングに書き換え。なかでもSPORTモードは「NISMOモード」と命名され、モーター駆動ならではの瞬発力に加え、力強く伸びのある加速感を演出する設定とされている。

EV NISMO初の回生ブレーキパドル
本モデルのハイライトのひとつが、EV NISMOとして初めて採用された「回生ブレーキコントロールパドル」だ。レベル1ではベースモデルよりも減速力を低く設定し、スムーズなクルージングを演出。レベル2から4では減速力を高めに設定し、スポーツドライビングを楽しめる特性としている。山岳路やワインディングでの細かなスピードコントロールに活用できる機能で、パドル操作でその場で切り替えられる手軽さも魅力だ。
この回生パドルの採用は、ただの機能追加にとどまらない。アクセルオフ時の減速感こそがEVスポーツの「味」を左右する要素のひとつであり、それを積極的にコントロールできる手段を与えたことは、ドライビングの主体性をドライバーに返すという意味で評価できる。

空力を磨いたエクステリアデザイン
NISMOの「性能向上のためのデザイン」という思想に従い、エクステリアの専用エアロパーツはすべて機能的な根拠を持つ。
フロントバンパーには空気の流れをボディサイドへ導くエアガイド機能付き専用コーナーフィニッシャーを装備。ボディ下面には船底形状のアンダースポイラーを持つ専用リヤバンパーを採用し、後端にはより後方かつ上方へ延長されたダックテール形状のバックドアスポイラーが加わる。公式発表によれば、これらの組み合わせにより空気抵抗(ドラッグ)をベース車比で悪化させることなくダウンフォースを獲得したとされており、空力の最適化に徹した設計が伺える。
各所に散りばめたレッドアクセントカラー「アルテリアマグマ」は、ドアミラーやボディラインを縦断し、電動車ならではのダイナミズムを視覚的に主張する。ボディカラーはベースリーフの4色に加え、NISMOロードカー専用色「NISMOステルスグレー」2種類を新設。サーキットの風景に溶け込みながらも削ぎ落とされた存在感を放つというコンセプトのカラーで、合計6色から選択できる。

スポーツと質感を両立したインテリア
コクピットはブラックを基調にレッドアクセントを施したNISMO定番のコーディネーション。パワーメーター、インストルメントパネル周りのフィニッシャー、パワースイッチはすべて専用パーツに刷新されている。
ステアリングホイールには合成皮革「テーラーフィット」を採用。ナッパレザーに近い触感を持ちながら高い耐久性を誇る素材で、レッドセンターマークとレッドステッチが戦闘的な雰囲気を演出する。前席シートにはレッドパーフォレーションとNISMOロゴの刺しゅうが入り、上位グレードのB7 NISMO RECARO装着車ではRECARO製スポーツシートをNISMO専用チューニングで搭載。このRECARO製シートはパワーリクライニング機能(スムーズかつ無段階調整可能)も備え、ロングドライブでの快適性も確保している点が見逃せない。
スポーツシートの「一体感」を重視する設計思想は、NISMOが開発段階からシャシーとのバランスを念頭に置いてチューニングを行った結果だ。コクピットに収まった瞬間から「走る気」にさせるインテリアの仕上がりは、価格帯に見合った高揚感を生み出している。

日産リーフ NISMO 主要諸元・価格
| 項目 | B5 NISMO | B7 NISMO | B7 NISMO RECARO装着車 |
|---|---|---|---|
| 全長×全幅 | 4,415×1,810mm | ||
| 全高 | 1,550mm | 1,550mm(プロパイロット2.0装着車は1,565mm) | 1,550mm |
| ホイールベース | 2,690mm | ||
| 最低地上高 | 135mm | ||
| 車両重量 | 1,820kg | 1,920kg | 1,900kg |
| モーター最高出力/最大トルク | 130kW/345Nm | 160kW/355Nm | 160kW/355Nm |
| パワーウェイトレシオ | 14.0kg/kW | 12.0kg/kW | 11.9kg/kW |
| タイヤサイズ(リムサイズ) | 235/45 R19(8.0J) | ||
| 駆動方式 | 2WD | ||
| 全国希望小売価格(消費税込み) | 6,601,100円 | 6,952,000円 | 7,227,000円 |
※数値はメーカー公表値。価格は全国希望小売価格(消費税込み)です。「日産リーフ NISMO」は持込み登録車で、日産モータースポーツ&カスタマイズ株式会社(NMC)の取り扱いとなります。バッテリー容量・航続距離(WLTCモード)はプレスリリースで公表されていません。
Roadly編集部コメント
660万円スタートというプライスタグは、EVスポーツの世界でも相当な意気込みを感じさせる。ベースとなる3代目リーフが2026年1月に登場したばかりという点を考えると、NISMOバリアントの投入スピードはかなり積極的だ。NISMOロードカーのアイデンティティである「モータースポーツ由来のチューニングを公道に落とし込む」という哲学は、EVの即応性の高いトルク特性と相性が良く、スポーツドライビングの楽しさをEVで体験したいドライバーには刺さる一台だろう。RECAROを組み合わせた最上位グレードは720万円超となるが、RECARO×NISMOという組み合わせはシートへのこだわりが強い層への訴求力は高い。持込み登録車かつNMC取り扱いという特殊な販売形態については、購入前に最新の取り扱い店舗情報を確認しておきたい。
EV時代の「走る喜び」を本気で追求した「日産リーフ NISMO」。今後の試乗レポートやユーザーインプレッションにも引き続き注目していきたい。続報はRoadlyでいち早くお届けする。
情報源・出典
- 情報源:Nissan 公式(日本)
- プレスリリースタイトル:「日産リーフ NISMO」を発表
- プレスリリースURL:https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/260722-01-j
本記事は上記のメーカー公式プレスリリースを情報源として、Roadly編集部が事実情報を再構成・独自視点で執筆した解説記事です。プレスリリースの文章・構成・画像を複製したものではありません。詳細は上記リンクよりご確認ください。
※本記事は情報提供を目的とした解説であり、商品・サービスの購入や投資判断を推奨するものではありません。スペック・価格・発売時期等は変更される場合があります。