マツダは2026年6月25日、軽乗用車「フレアクロスオーバー」を商品改良し、全国のマツダ販売店で発売を開始した。スズキ「ハスラー」のOEM供給を受けるこのモデルは、今回の改良でフロントデザインの刷新・先進安全装備の全車標準化・快適装備の充実という3つの柱を得て、大幅な進化を果たしている。価格帯は161万円台から227万円台(消費税込み)。軽自動車ながらSUVライクな走りと充実した装備を両立するフレアクロスオーバーの「何が変わったのか」を、Roadly編集部が詳しく整理した。
この記事のポイント
- 「デュアルセンサーブレーキサポートII」を全グレードに標準装備し、安全性能が一段上に
- 新色「ウッドランドカーキメタリック」追加を含むフロントデザイン刷新でSUV感が増強
- 電動パーキングブレーキ・オートホールド・Type-C USB×2など快適装備も全車レベルアップ
今回の改良、3つの注目軸
マツダの公式発表によれば、今回の商品改良は「デザイン」「安全」「快適」の3方向に整理できる。どれかひとつだけを磨いたマイナーチェンジではなく、乗員を守る機能・使い勝手・見た目のすべてに手が入っている点が特徴的だ。
軽自動車市場は近年、安全装備の標準化競争が激化している。自動ブレーキの精度向上やブラインドスポットモニターの普及が加速するなか、フレアクロスオーバーも今回の改良でその流れにしっかり乗った形だ。価格レンジは161万円台からと軽クロスオーバーとして決して安くはないが、装備内容を見れば納得感のある水準といえる。
安全装備:全車標準化が最大の変化
今回の改良でもっとも評価したいのが、先進安全装備の底上げだ。公式発表によれば、「デュアルセンサーブレーキサポートII」が全グレードに標準装備された。これは単眼カメラとミリ波レーダーを組み合わせたデュアルセンサー方式で、前方の車両・歩行者・自転車・自動二輪を検知し、交差点での右左折時や出合頭のシーンでも衝突回避を支援する。
さらに今回から新たにパーキングセンサー(フロント)が設定され、前後のセンサーが揃ったことで駐車時の安心感も高まった。アダプティブクルーズコントロールには停止保持機能が追加され、渋滞路での疲労軽減に直結する。ブラインドスポットモニタリング(BSM)はリア・クロス・トラフィック・アラート機能と組み合わせることで、車線変更時と後退時の両方を監視する。加えて、発進お知らせ機能・ハイビームアシスト・車線維持支援・車線逸脱抑制など、国が定める「サポカーS・ワイド」に相当する装備が一通り揃う。軽自動車のクラスで考えれば、相当に手厚い安全パッケージだ。

デザイン:新色と刷新グリルでSUV感アップ
外観面では、フロントグリルのデザインが刷新された。公式発表では「より個性的で動きのあるデザイン」と表現されており、先代よりも力強い印象を与えるフロントフェイスに生まれ変わった。
注目のカラーは新色「ウッドランドカーキメタリック」。アウトドアシーンとの親和性が高い落ち着いたアースカラーで、2トーンバリエーションも用意されている。ボディカラーは全6色にモノトーン・2トーンを加えた構成で、グレードによって選べる色数が異なる(XG=5色、XS・XT=6色、ZS・ZT=5色)。ピュアホワイトパールやスチールシルバーメタリックは特別塗装色として2万7500円増、2トーンカラーは4万9500円増となる。
ボディサイズは全長3,395mm×全幅1,475mm×全高1,680mmと軽規格内に収まりつつ、最低地上高はNAエンジン車で160mm、ターボ車で180mmを確保。SUVらしいアイポイントの高さとスクエアなシルエットはそのままに、よりキャラクターラインが際立つ仕上がりになった。

快適装備:Type-C USB・電動PKB・ナビが揃う
室内装備の刷新も見逃せない。まずUSBチャージャーがType-C×2に変更された。現在の機器環境を考えれば当然の進化だが、軽自動車クラスでは後回しにされるケースも多く、実用性向上として素直に評価できる点だ。
電動パーキングブレーキとオートホールド機能は全車に標準装備される。信号待ちや渋滞時に足を踏み続ける必要がなくなり、日常使いの疲労感が大きく変わる装備だ。上位グレード(XS/ZS/XT/ZT)には9インチHDディスプレイのメモリーナビゲーションが標準装備され、Apple CarPlay・Android Auto・フルセグTV・HDMIに対応する。シートヒーターは運転席・助手席ともに全車標準と、冬場の使い勝手も抜かりない。
オート格納ドアミラーにLEDサイドターンランプが組み合わさり、細かな使い勝手の向上も積み重なっている。上位グレードには360度スーパーUV・IRカットガラスやナノイーX搭載の空気清浄機能も用意され、長距離移動での快適性にも配慮されている。

パワートレーンと燃費:NAとターボを選択
パワートレーンは自然吸気(NA)とターボの2種類。NAはR06D型の3気筒658ccエンジンに、最高出力36kW(49PS)・最大トルク58N・mというスペック。これにモーター出力1.9kWのマイルドハイブリッドシステムが組み合わさり、発進・加速をアシストする。燃費はWLTCモードで2WD車が24.3km/L、4WD車が22.4km/Lと、軽自動車として実用的な水準だ。
ターボはR06A型の658ccターボエンジンで、最高出力47kW(64PS)・最大トルク98N・mを発揮。2.3kWのマイルドハイブリッドと合わせた動力性能は、山道や高速の合流でも余裕を生む。ターボ車には7速マニュアルモード付CVTが与えられ、ドライバーが積極的にギアを選べる楽しさもある。4WD車にはグリップコントロール・スノーモード・ヒルディセントコントロールが標準で、雪道や未舗装路での走破性を高める。ターボ4WD車の燃費はWLTCで20.4km/Lとなる。
タンク容量は27Lとコンパクトだが、燃費性能を考慮すれば満タン航続距離は500km超も見込めるレベルだ。

グレード構成と価格:どれを選ぶべきか
グレードはNA系がXG・XS・ZS、ターボ系がXT・ZTの計5グレード。それぞれに2WDと4WDが設定されており、合計10パターンから選択できる。
最廉価のXGは161万400円(2WD・消費税込み)から。安全装備の基本的な内容は共通だが、全方位モニターとメモリーナビはXG非対応のため、日常的にナビや駐車支援カメラを使いたいなら上位グレードが現実的な選択肢になる。実質的な中心グレードはXS・ZSあたりで、2WD車が198万5500円・206万2500円。ターボを選ぶならXT(206万3600円〜)またはZT(214万1700円〜)となる。
4WD化すると各グレードで13〜14万円程度の加算となる。雪国在住や山道ドライブを楽しむ層にとっては、グリップコントロールやヒルディセントコントロールが標準でついてくる4WDターボの選択は費用対効果が高い。全体の価格レンジは161万〜227万円台(消費税込み)と、軽自動車としては上位に位置するが、装備内容を考えればコンパクト登録車と十分競合できる充実度だ。
主要諸元・価格一覧
グレード別価格
| グレード | エンジン | 駆動 | メーカー希望小売価格(税込) |
|---|---|---|---|
| XG | R06D型(自然吸気) | 2WD | ¥1,610,400 |
| 4WD | ¥1,744,600 | ||
| XS | R06D型(自然吸気) | 2WD | ¥1,985,500 |
| 4WD | ¥2,119,700 | ||
| ZS | R06D型(自然吸気) | 2WD | ¥2,062,500 |
| 4WD | ¥2,197,800 | ||
| XT | R06A型(ターボ) | 2WD | ¥2,063,600 |
| 4WD | ¥2,198,900 | ||
| ZT | R06A型(ターボ) | 2WD | ¥2,141,700 |
| 4WD | ¥2,275,900 |
メーカー希望小売価格(消費税10%込み)。特別塗装色(ピュアホワイトパール/スチールシルバーメタリック)は+¥27,500、2トーンカラーは+¥49,500。別途リサイクル料金が必要。2026年6月現在。
主要諸元(自然吸気/ターボ)
| 項目 | XG・XS・ZS(自然吸気) | XT・ZT(ターボ) |
|---|---|---|
| エンジン型式 | R06D型 水冷直列3気筒 DOHC | R06A型 水冷直列3気筒 DOHC インタークーラーターボ |
| 総排気量 | 658cc | 658cc |
| 最高出力 | 36kW(49PS)/6,500rpm | 47kW(64PS)/6,000rpm |
| 最大トルク | 58N・m(5.9kgf・m)/5,000rpm | 98N・m(10.0kgf・m)/3,000rpm |
| モーター(マイルドHV) | 1.9kW(2.6PS) | 2.3kW(3.1PS) |
| トランスミッション | CVT | CVT(7速マニュアルモード付) |
| WLTC燃費(2WD) | 24.3km/L | 22.0km/L |
| WLTC燃費(4WD) | 22.4km/L | 20.4km/L |
| 搭載グレード | XG / XS / ZS | XT / ZT |
| 駆動方式 | 2WD(FF)/フルタイム4WD | |
| ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,395×1,475×1,680mm | |
| 最低地上高 | 自然吸気車160mm/ターボ車180mm | |
| 最小回転半径 | 4.6m | |
| 乗車定員 | 4名 | |
燃費は国土交通省審査値(WLTCモード)。フレアクロスオーバーはスズキ「ハスラー」のOEM供給車(製造:スズキ株式会社)。数値は2026年6月現在のカタログ/公式発表値。
Roadly編集部コメント
フレアクロスオーバーはスズキ ハスラーのOEMモデルということで、本質的な走りや骨格はハスラーと共通だ。それでも「マツダのディーラーで購入・メンテナンスできる」という点はブランドロイヤルティの高いマツダオーナーにとって無視できないメリットだろう。今回の改良で安全装備の全車標準化が進んだことで、エントリーグレードでも安全性能の差が縮まった点は歓迎できる。軽自動車でありながらアウトドア志向のデザイン、4WD+ターボの動力性能、充実した安全支援機能を求めるドライバーにとって、現時点で最もバランスの取れた選択肢のひとつといえる。ハスラーとの比較検討時は、販売網・保証内容・オプション設定の違いも確認しておきたい。
2026年6月25日に刷新されたマツダ フレアクロスオーバーは、安全・快適・デザインの三方向で確かな進化を遂げた。各グレードの装備内容と価格をしっかり比較しながら、自分のドライブスタイルに合った一台を見つけてほしい。
情報源・出典
- 情報源:Mazda 公式(日本)
- プレスリリースタイトル:マツダ、「フレアクロスオーバー」を商品改良し発売
- プレスリリースURL:https://newsroom.mazda.com/ja/publicity/release/2026/202606/260625a.html
本記事は上記のメーカー公式プレスリリースを情報源として、Roadly編集部が事実情報を再構成・独自視点で執筆した解説記事です。プレスリリースの文章・構成・画像を複製したものではありません。詳細は上記リンクよりご確認ください。
※本記事は情報提供を目的とした解説であり、商品・サービスの購入や投資判断を推奨するものではありません。スペック・価格・発売時期等は変更される場合があります。