新型BMW X5(第5世代)発表|BEV・PHEV・水素まで5つの駆動方式を一挙展開
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新型BMW X5(第5世代)発表|BEV・PHEV・水素まで5つの駆動方式を一挙展開

2026.07.01

BMWが第5世代となる新型X5を正式発表した。1999年のデビュー以来、プレミアムSUV市場を牽引してきたX5が、今回のフルモデルチェンジで大きな転換点を迎える。注目すべきは駆動方式の多様化で、ガソリン・ディーゼルのマイルドハイブリッド、プラグインハイブリッド(PHEV)、そして完全電気自動車の「BMW iX5」まで、実に5つのパワートレインを1つのモデルラインに収めてきた。将来は水素燃料電池車の追加も予告されており、単なる新型車の枠を超えた「BMWの電動化戦略の結晶」といえる内容だ。生産は米国サウスカロライナ州スパルタンバーグ工場で2026年8月開始予定。日本導入時期・国内価格は現時点で未発表となっている。

この記事のポイント

5つの心臓を持つX5、その全貌

BMW公式の発表によれば、第5世代X5が用意するパワートレインは以下の5種類だ。ガソリン直列6気筒+48Vマイルドハイブリッドの「X5 40 xDrive」、ディーゼル直列6気筒+48Vマイルドハイブリッドの「X5 40d xDrive」、プラグインハイブリッドの「X5 50e xDrive」と高性能版「X5 M60e xDrive」、そして完全電気自動車の「BMW iX5 60 xDrive」。さらに将来的には水素燃料電池車「BMW iX5 Hydrogen」の追加も予定されている。

1つのモデルがここまで幅広い駆動方式をカバーするのは、プレミアムSUVとしては異例の対応と言っていい。ロングツーリングにガソリンモデルを選んでも良いし、充電環境が整っているならPHEVやBEVを選ぶという形で、ライフスタイルに合わせた選択肢が用意されている点が大きな魅力だ。

なお、ドイツ市場の場合、BEV・PHEVの受注は2026年10月8日から開始され、販売開始は2027年初頭の予定。ガソリン・ディーゼルモデルは2026年11月28日に市場投入が予定されている。日本導入時期・国内価格は未発表だ。

5つの心臓を持つX5、その全貌

iX5 60 xDrive:BEVの本命

今回のラインナップで最も注目を集めるのが、完全電気仕様の「BMW iX5 60 xDrive」だろう。公式発表によれば、正味容量141kWhの高電圧バッテリーを搭載し、WLTP基準の航続距離は645〜845kmに達する。最大充電速度は460kWで、800Vシステムに対応した第6世代BMW eDriveテクノロジー(Gen6)を採用している点も見逃せない。

駆動系は前後に電気モーターを配したBMW xDriveの電気式AWDで、システム最高出力は425kW(578hp)、最大トルクは805Nmという数値。0-100km/h加速は4.6秒、最高速度は210km/hとスポーティな性格を持つ。車両重量は2,900kgとヘビー級ながら、重量配分をほぼ50:50に設定していることで走行バランスを保つ設計だ。

バッテリーには、高さ120mmの第6世代円筒形セルを初採用。従来の95mmセルと比較してエネルギー密度が向上しており、航続距離の大幅拡大に貢献している。双方向充電にも対応する予定で、クルマを単なる移動手段ではなくエネルギーハブとして活用できる可能性も広がっている。スパルタンバーグ工場初の完全電気モデルという点でも、製造面での歴史的なモデルとなる。

iX5 60 xDrive:BEVの本命

PHEV2モデル:電気で走り、必要なら遠くへ

PHEVを選ぶユーザーには2グレードが用意される。「X5 50e xDrive」はシステム出力360kW(489hp)、EV走行距離86〜102km(WLTP)を確保。直列6気筒ガソリンエンジン(230kW)と145kWの電気モーターを組み合わせ、0-100km/h 5.0秒というレスポンスを持つ。普段の街乗りや通勤はEVとして使い、長距離ドライブでは内燃機関が補完するという使い方が現実的だ。

さらに上位の「X5 M60e xDrive」は、システム出力450kW(612hp)・システムトルク800Nmを発揮するシリーズ最強のPHEVモデル。0-100km/h加速は4.5秒(1フィート・ロールアウト法という初動分を差し引く計測方法では4.2秒)で、最高速度250km/hに達する。EV走行距離は81〜98km(WLTP)で、外観はダブルXスタイルの「BMW Mイエローライト」や4本出しエキゾースト、最大22インチホイールなどで差別化されている。

どちらのPHEVも充電出力は11kWで、排出ガス基準はEU7に対応。ガソリン・ディーゼルのマイルドハイブリッドモデルも現時点ではEU6eで、2026年12月以降の生産分からEU7に切り替わる予定とされている。

PHEV2モデル:電気で走り、必要なら遠くへ

水素燃料電池車もラインナップへ

将来のラインナップとして予告されているのが「BMW iX5 Hydrogen」だ。水素燃料電池システムと「BMW Hydrogen Flat Storage」、コンパクトな高電圧バッテリーを組み合わせた構成で、X5シリーズとして初めて電気式BMW xDriveを水素モデルに採用する予定とされている。

この燃料電池システムは、BMWグループとトヨタ自動車が共同開発した第3世代の技術に基づく。従来型と比べてよりコンパクトな設計を実現しつつ、出力と効率の双方が向上しているという。BMWは2021年にiX5 Hydrogenを発表し、2023年春以降はパイロット運用を続けてきた実績がある。今回の第5世代X5をベースにした量産化が視野に入りつつある段階だ。

水素インフラの整備は日本を含む各国で少しずつ進んでいるが、普及という意味ではまだ課題も多い。ただ、BMWがここまでのスケールで5種類の駆動方式を揃えてきたのは、「どの技術が主流になっても対応できる」という戦略的な布石と捉えることができる。

水素燃料電池車もラインナップへ

デザインと内装:次世代Xの世界観

第5世代X5のエクステリアは「次世代Xデザイン言語」を採用。垂直配置のBMWキドニーグリルと「アイコニック・グロー」発光機能、デイタイムランニングライトに採用された「ダブルXライト・アイコン」が視覚的なアイデンティティを形成している。ホイールは標準21インチから新設定の23インチまで選択可能で、エクステリアカラーは11種類(うち4色はBMW Individual)がラインナップされる。

インテリアでは、水平基調に再設計されたコックピットに「BMWパノラミックiDrive」と「BMWオペレーティング・システムX」を組み合わせた新世代のデジタル体験が展開される。フロントガラス下部全域に投影する「BMWパノラミック・ビジョン」、17.9インチのセントラルディスプレイ、そしてX5として初採用となる14.6インチの助手席向けディスプレイ「BMWパッセンジャー・スクリーン」が目を引く。走行中でも動画ストリーミングが可能で、ドライバーの視線に映り込まないよう「ビジビリティ・シールド」機能が組み込まれている点は実用的だ。

素材面では、BMWとして初めてスレート(石板)をインテリアに採用。シートにはヴィーガン素材「ヴェガンザ」を標準設定し、オプションのBMW Individualではメリノレザーも選べる。ドライバー・アシスタンスはSAEレベル2に対応し、オプションの「モーターウェイ&シティ・アシスタント」では最高130km/hでのハンズフリー走行も可能(ドイツでは2026年後半導入予定)。

デザインと内装:次世代Xの世界観

主要諸元(発売時5モデル)

項目 BMW iX5 60 xDrive BMW X5 40 xDrive BMW X5 40d xDrive BMW X5 50e xDrive BMW X5 M60e xDrive
種別 電気自動車(BEV) ガソリン+48V MHV ディーゼル+48V MHV PHEV PHEV(高性能)
システム最高出力 425kW(578hp) 294kW(400hp) 230kW(313hp) 360kW(489hp) 450kW(612hp)
最大トルク 805Nm 580Nm 670Nm 700Nm 800Nm
0-100km/h 4.6秒 5.3秒 6.1秒 5.0秒 4.5秒
最高速度 210km/h 250km/h 230km/h 242km/h 250km/h
航続/EV航続(WLTP) 645〜845km EV 86〜102km EV 81〜98km
バッテリー/燃費 141kWh・最大460kW充電 9.2〜8.7L/100km 7.3〜7.0L/100km 充電11kW 充電11kW
車両重量 2,900kg 2,365kg 2,430kg 2,640kg 2,715kg
寸法・共通 全長4,994〜4,998×全幅2,000×全高1,748〜1,751mm/ホイールベース3,035mm/駆動方式 xDrive(全輪駆動)

数値はすべて暫定値。燃費・航続距離・電力消費はWLTP(欧州)基準で、ドイツ市場向け仕様に基づく。日本導入時期・国内価格は未発表。将来、水素燃料電池車「BMW iX5 Hydrogen」の追加も予定。2026年7月時点。

Roadly編集部コメント

第5世代X5が示すのは、「1車種で全ての電動化トレンドに応答する」というBMWの意志だと感じる。ガソリンからBEV、そして水素まで同じプラットフォームで展開するモデルは他に例がなく、ライバルのメルセデス・GLEやアウディ・Q7と比較しても選択肢の幅は群を抜く。特にiX5の141kWh・航続845kmという数値は、現時点の量産BEV SUVとして世界トップクラスのスペックだ。EV移行を検討しているが航続距離に不安を持っているドライバーにとっては、有力な選択肢になり得る。日本市場への導入時期と価格の発表が待たれるところで、続報に注目したい。

第5世代BMW X5は、プレミアムSUVの「動力源の多様性」という新しい基準を打ち立てた一台だ。日本導入時期・国内価格はまだ未発表だが、BEVからPHEV、そして水素まで含めた全貌が明らかになるにつれ、注目度はさらに高まっていくはず。Roadlyでは今後の続報を追っていく。

情報源・出典

本記事は上記のメーカー公式プレスリリースを情報源として、Roadly編集部が事実情報を再構成・独自視点で執筆した解説記事です。プレスリリースの文章・構成・画像を複製したものではありません。詳細は上記リンクよりご確認ください。

※本記事は情報提供を目的とした解説であり、商品・サービスの購入や投資判断を推奨するものではありません。スペック・価格・発売時期等は変更される場合があります。

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