BMWジャパンは2026年10月1日、コンパクトスポーツ「BMW M2」のラインアップに4輪駆動モデル「BMW M2 M xDrive」を追加し、全国のBMW正規ディーラーにて販売を開始した。納車は2026年10月中旬以降を予定しており、メーカー希望小売価格は1,083万円(消費税込み)。これまで後輪駆動一択だったM2に、はじめて4輪駆動が組み合わさることで、どのような走りの世界が広がるのか。公式発表の詳細をもとに掘り下げていく。
この記事のポイント
- BMW M2に初の4輪駆動モデル「M2 M xDrive」が登場。販売開始は2026年10月1日
- アクティブMディファレンシャルとM xDriveの組み合わせで圧倒的なトラクション性能を実現
- 価格は1,083万円(消費税込み)。既存モデルより50万円高のプレミアム設定
M2 M xDriveとは何か
BMW M2といえば、コンパクトなボディに直列6気筒エンジンを積み、後輪駆動でスポーツドライビングの醍醐味を追求してきたモデルだ。その系譜は1985年登場の初代M3と、1973年誕生のBMW 2002ターボにまで遡るとBMWは説明している。初代M2が2016年に登場してから約10年、現行の第二世代一部改良モデル(2024年)に至るまで、M2は「最もコンパクトなBMW Mモデル」であり、サーキットでの本格的な走行を可能とする「Mハイ・パフォーマンス・モデル」に位置づけられてきた。歴代のM2はすべて後輪駆動で、4輪駆動が設定されるのは今回が初めてとなる。
今回追加された「M2 M xDrive」は、その名のとおり4輪駆動システムを搭載した派生モデルだ。BMWの発表によれば、電子制御多板クラッチを用いた「M xDrive」と後輪左右のトルクを制御する「アクティブMディファレンシャル」を組み合わせることで、圧倒的なトラクション性能を実現しているという。トランスミッションはオートマチックのみの設定となり、マニュアル仕様は選べない点には注意が必要だ。

2つのシステムが生む走りの違い
M2 M xDriveの技術的な核心は、2つの独立した電子制御システムの連携にある。

まず「アクティブMディファレンシャル」は、後輪の左右トルク差をアクチュエーター式の電子制御多板クラッチで細かく制御する機構だ。空転を抑えつつ後輪左右のトルクを最適に配分することで、最大の加速性能につなげる役割を担う。
次に「M xDrive」は、センサーによって走行状況を常時モニタリングし、トランスファーの電子制御多板クラッチを通じて前後のトルク配分をリアルタイムで変化させるシステムだ。走行状況に応じて前後のトルク配分を変化させ、トラクションを確保する。
BMWの公式発表が強調するのは、この2つを「組み合わせる」ことで圧倒的なトラクション性能を実現した、という点だ。さらに注目すべきは、モードの切り替えによって後輪駆動モデルのような走りを楽しむことも可能である点。4WDの安心感と、FRのスポーティな挙動を状況に応じて使い分けられる設計は、スポーツ志向のドライバーにとって魅力的な選択肢となるだろう。

主要スペックと価格を整理する
BMWが公表したM2 M xDriveの主要諸元は以下のとおりだ。
エンジンは排気量2,992ccの直列6気筒Mツインパワー・ターボ。最高出力は480PS(353kW)を6,250rpmで発生し、最大トルクは600Nmを2,700rpmから5,620rpmという広い回転域で発生する。自然吸気のような官能的な吹け上がりとターボによる力強いトルクを両立させたエンジンは、M2シリーズ共通の強みでもある。
ボディサイズは全長4,580mm、全幅1,885mm、全高1,405mm、ホイールベース2,745mm。車両重量は1,790kg、車両総重量は2,010kg。WLTCモード燃料消費率は9.8km/Lだ。
メーカー希望小売価格は1,083万円(消費税込み)。既存のM2(MT・AT共通)が1,033万円であることと比較すると、M xDriveの4WDシステムに対して50万円のプレミアムが設定されていることになる。この50万円差がM2 M xDriveの4輪駆動システム分にあたる。なお価格は各BMW正規ディーラーが独自に定めており、諸費用やリサイクル料金は別途必要となる。

どんなドライバーに向いているか
M2はBMWの中でも「Mハイ・パフォーマンス・モデル」に分類される本格スポーツカーだ。サーキット走行を前提とした設計思想を持ちながら、公道での日常使いにも対応する守備範囲の広さが支持される理由の一つでもある。
ここからはRoadly編集部の見立てになる。後輪駆動のM2が「駆動方式そのものを味わいたいドライバー」向けだとすれば、M2 M xDriveは「スポーツ性能は譲らずに、路面を選ばず走りたいドライバー」に向く一台だろう。480PSという出力を後輪だけで受け止めるのは、コンディションによっては易しくない。前後にトルクを振り分けられる仕組みが加わることで、そのポテンシャルを引き出しやすくなる点は見逃せない。
一方でモードの切り替えにより後輪駆動的な走りも楽しめるとBMWは説明しており、「4WDだからスポーツ感が薄れる」という懸念は必ずしも当てはまらないだろう。ただし走行モードの具体的な名称や切り替え方法の詳細については、公式発表では明らかにされていない。試乗や正規ディーラーへの問い合わせで確認したいところだ。

BMW M2 M xDrive 主要諸元
| 項目 | BMW M2 M xDrive |
|---|---|
| 全長 | 4,580mm |
| 全幅 | 1,885mm |
| 全高 | 1,405mm |
| ホイールベース | 2,745mm |
| 車両重量 | 1,790kg |
| 車両総重量 | 2,010kg |
| エンジン | 直列6気筒ガソリン・エンジン |
| 排気量 | 2,992cc |
| 最高出力 | 480PS(353kW)/6,250rpm |
| 最大トルク | 600Nm/2,700rpm-5,620rpm |
| WLTCモード燃料消費率 | 9.8km/L |
※BMWジャパンの公式発表(2026年10月1日)に記載された主な車両諸元。右ハンドル。
ラインアップとメーカー希望小売価格
| モデル | 駆動方式 | メーカー希望小売価格 |
|---|---|---|
| BMW M2 マニュアル・トランスミッション搭載モデル |
後輪駆動 | 10,330,000円 |
| BMW M2 オートマチック・トランスミッション搭載モデル |
後輪駆動 | 10,330,000円 |
| BMW M2 M xDrive オートマチック・トランスミッション搭載モデル/今回追加 |
4輪駆動 | 10,830,000円 |
※消費税込みの車両本体価格(右ハンドル)。付属品価格、消費税を除く税金、保険料、登録に伴う諸費用は含まず、自動車リサイクル法に基づくリサイクル料金が別途必要。メーカー希望小売価格は参考価格であり、実際の価格は各BMW正規ディーラーが独自に定めています。BMW M2(MT/AT)は以前に発表済みのモデル。
Roadly編集部コメント
Roadly編集部としては、M2に4WDが加わったこと自体をポジティブに評価したい。480PSの直列6気筒Mツインパワー・ターボと後輪駆動の組み合わせは刺激的である反面、国内の公道では持て余す場面もあるのが正直なところ。M xDriveの追加によって、そのポテンシャルを日常の走行シーンでもより安全に扱えるようになるなら、実用的な意味でのスポーツカー選びの幅が広がる。特に「M2に乗ってみたいが、高出力のFRは少し不安」と感じていた層にとって、このM xDriveは背中を押してくれる存在になりうる。1,083万円という価格は決して安くないが、Mハイ・パフォーマンス・モデルに4輪駆動という選択肢が加わった意味を考えれば、検討に値する一台だ。
BMW M2 M xDriveは、スポーツ走行の純粋な楽しさと4WDの安心感を両立させた、M2シリーズの新たな到達点だ。納車は2026年10月中旬以降を予定。
情報源・出典
- 情報源:BMW 公式(日本)
- プレスリリースタイトル:BMW M2 の4輪駆動モデル「BMW M2 M xDrive」誕生
- プレスリリースURL:https://www.press.bmwgroup.com/japan/article/detail/T0461113JA
本記事は上記のメーカー公式プレスリリースを情報源として、Roadly編集部が事実情報を再構成・独自視点で執筆した解説記事です。プレスリリースの文章・構成・画像を複製したものではありません。詳細は上記リンクよりご確認ください。
※本記事は情報提供を目的とした解説であり、商品・サービスの購入や投資判断を推奨するものではありません。スペック・価格・発売時期等は変更される場合があります。