フェラーリ初の純電気スーパー・スポーツカー「Ferrari Luce」2026年発表|1050cvと530km超の航続距離を両立
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フェラーリ初の純電気スーパー・スポーツカー「Ferrari Luce」2026年発表|1050cvと530km超の航続距離を両立

2026.05.26

2026年5月25日、フェラーリはローマのベラ・ディ・カラトラバ(チッタ・デッロ・スポルト)にて、ブランド初となる純電気スポーツカー「Ferrari Luce」を世界に向けて発表した。フェラーリが初勝利を収めたローマでの勝利から79年という節目に選ばれたこの舞台は、単なる新型車発表にとどまらず、プランシングホースの歴史における「新章の幕開け」を強く意識した演出だ。フェラーリ公式が報じたところによると、本モデルはマラネロが2022年に掲げたマルチエネルギー戦略の集大成であり、既存エンジンラインアップを置き換えるものではなく、ブランドの表現領域を大きく拡張する一台として位置づけられている。

この記事のポイント

なぜ今、フェラーリがEVに?

フェラーリが純電気モデルを投入する背景を理解するには、2022年のキャピタルマーケットデーまで遡る必要がある。同社がその場で宣言した「マルチエネルギー戦略」は、特定の動力源に一本化するのではなく、内燃機関、ハイブリッド、そして電動化を並立させながらブランドの可能性を広げていくというアプローチだ。Ferrari 公式が報じたところによると、Ferrari Luceはこの戦略の「集大成」として位置づけられており、エンジン車を廃止するものではなく、これまで物理的に不可能だった設計や走りを実現するための新たな軸として電動化を捉えている。

実際、フェラーリはWEC(世界耐久選手権)チャンピオンマシン「499P」で培った電動技術や、革新的な研究拠点として機能する「フェラーリ・ハイパーセイル」プロジェクトから多くの知見を吸収してきた。Ferrari Luceはその技術的蓄積を市販車として体現する一台であり、60以上もの新規特許が申請されている点からも、その開発規模の大きさがうかがえる。また、同社が掲げる「Ferrari Forever」哲学に則り、将来にわたってバッテリーを含む全電動コンポーネントのサポートも提供されるとのことだ。

なぜ今、フェラーリがEVに?

アイブ+ニューソンが描いた新造形

Ferrari Luceのデザインを担ったのは、フェラーリ・デザイン・スタジオのフラビオ・マンゾーニ率いる内部チームではなく、元アップルのチーフデザイナーとして知られるサー・ジョナサン・アイブと、プロダクトデザイナーのマーク・ニューソンが共同主宰するデザインコレクティブ「LoveFrom」だ。Ferrari 公式によれば、外部クリエイターにデザインを委ねることで「新たな視点と相互刺激」が生まれ、従来のフェラーリデザイン言語にとらわれない表現が可能になったという。

その最大の特徴は、ガラスハウスと呼ばれるキャビン部の圧倒的な純粋さにある。シェルのような連続した曲面がベルトライン以下まで延び、フロントとリアに浮かぶ独立したエアロウィングがボディのシルエットを損なわずに空力を担う。ライトパネルも主要サーフェスに一体化しており、消灯時はボディに溶け込んで存在感を消すデザインとなっている。テールランプは「360 モデナ」や「458 イタリア」のハロー形状に敬意を払いながら、現代的な解釈で再構築された。また、フロント23インチ・リア24インチという市販フェラーリ史上最大のスタッガードホイール径も、この車の造形的インパクトを強調する要素のひとつだ。

インテリアについてもデザイン言語は徹底されており、Ferrari 公式が報じたところによると「エクステリア、インテリア、インターフェースが統一された言語で結ばれている」とのこと。精密に設計されたメカニカルボタン、ダイヤル、トグルスイッチと、サムスン・ディスプレイと共同開発したマルチファンクション・デジタルディスプレイを組み合わせ、物理操作の質感とデジタルの利便性を高次元で融合させている。素材にはリサイクルアルミニウム、コーニング社製ゴリラガラス、プレミアムレザーが採用された。

アイブ+ニューソンが描いた新造形

スペックが示す衝撃のポテンシャル

Ferrari 公式が公開したスペックを整理すると、Ferrari Luceの性能水準がいかに突出しているかがよくわかる。最高出力1050cv(日本でのps換算でも同等)、0-100km/h加速2.5秒、0-200km/h加速6.8秒、最高速度310km/h超、そしてEVとして530km超(WLTPベース相当と思われる)の航続距離を達成している。これらを車重2260kgで実現しているという点も見逃せない。フェラーリ公式によれば、F1由来の技術を惜しみなく投入することでこの重量に抑えることができたとされている。

動力は各ホイールに1基ずつ搭載された4基の電動モーターで、総容量122kWhのバッテリーが供給する。F80から派生したアクティブサスペンション、独立した後輪操舵システム(4輪操舵)、そして全輪を個別制御するトルクベクタリングが連動し、どの速度域でもドライバーの意図を正確に車両挙動へ反映させる。さらに注目すべきは「Side Slip Control X」を含む新世代の統合制御ユニット「VCU(Vehicle Control Unit)」の初採用で、動力系とダイナミクスを毎秒200回更新しながら統括する。

サウンドへのアプローチも特異だ。Ferrari 公式が報じたところによると、電気自動車特有の人工的なエンジン音を模倣するのではなく、車軸中心に取り付けた精密加速度計が回転部品の振動を捉え、エレキギターのように増幅・フィルタリングして出力する独自のシステムを開発・特許申請したという。このサウンドはe-マネッティーノとパドル操作に連動して変化し、静粛な移動から最大限の高揚感まで段階的に切り替えることが可能だ。

スペックが示す衝撃のポテンシャル

4ドア5シートという新たなフェラーリ像

Ferrari Luceの登場で最も驚かれるであろうポイントのひとつが、フェラーリ初の「5シーター」レイアウトの採用だ(4ドア構成自体はSUVのPurosangueに続く2台目だが、5座席はマラネロ史上初)。Ferrari 公式によれば、従来のトランスアクスル構成(フロントミッドエンジン+リアトランスミッション)では5席目の確保が物理的に不可能だったため、純電気アーキテクチャがもたらした自由度の恩恵がそのまま室内空間の拡大に直結したという。

これはフェラーリというブランドが、走りの純粋さを保ちながらも「日常的に複数名で使える贅沢さ」という新次元を手に入れたことを意味する。スポーツカーメーカーとして培ってきたDNAを保持しつつ、より広い用途に対応できるこのモデルは、「SUVでもなく、セダンでもない、フェラーリにしか存在しえない高性能グランドツアラー」という新しいジャンルを創出しているとも言えるだろう。なお、2+2シートで構成される「ローマ」など既存モデルとの明確な差別化ポイントでもあり、フェラーリファミリーのラインアップ拡張という文脈でも注目に値する。

快適性の観点では、フェラーリ公式の発表によると、マラネロ史上初となる弾性マウントのサブフレームをはじめ、アクティブサスペンション、重量・剛性・防音の最適化により「同社史上最も快適なフェラーリ」を実現したとされている。21スピーカー・24チャンネル・3000W出力のプレミアムオーディオシステム(フェラーリ・オーディオ・シグネチャー搭載)も、ロングドライブでの質感向上に貢献するだろう。

4ドア5シートという新たなフェラーリ像

Roadly編集部コメント

Ferrari Luceが提示するのは、「電動化かエンジンか」という二項対立を超えた問いかけだとRoadly編集部は受け止めている。1050cvのパワーと530km超の航続距離、そして4ドア5シートの実用性という三つの要素を一台に収めた時点で、このモデルは既存のスーパーカーの文脈で語れない存在になっている。走行性能に強いこだわりを持ちながら、家族や仲間と移動を共にしたいと考える層には、これ以上ないソリューションになり得る一台だ。価格や日本導入時期は現時点では未発表のため、今後の続報に注目したい。

フェラーリ初の純電気スポーツカーとして登場したFerrari Luceは、マラネロの技術力とデザイン革新が高い次元で融合した歴史的な一台だ。価格・発売時期など詳細は追って発表される見込みであり、Roadlyでも続報をお届けする予定だ。

情報源・出典

本記事は上記のメーカー公式プレスリリースを情報源として、Roadly編集部が事実情報を再構成・独自視点で執筆した解説記事です。プレスリリースの文章・構成・画像を複製したものではありません。詳細は上記リンクよりご確認ください。

※本記事は情報提供を目的とした解説であり、商品・サービスの購入や投資判断を推奨するものではありません。スペック・価格・発売時期等は変更される場合があります。

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