2026年6月26日、マツダはロードスター(ソフトトップ)およびロードスターRF(リトラクタブルハードトップ)の商品改良を正式に発表した。発売は2026年9月上旬を予定しており、予約受付はすでに開始されている。今回の改良は単なるマイナーチェンジにとどまらず、サスペンションのチューニング見直しや新たなアシスト制御の追加など、「走りの深化」を明確なテーマに掲げている点が特徴だ。特別仕様車「PS」の新設定や新色「ジンクグリーンメタリック」の採用も話題を呼んでおり、ロードスターファンにとって見逃せないアップデートとなっている。
この記事のポイント
- 特別仕様車「PS」を新設定。ビルシュタインダンパーやヒール&トゥアシスト制御をMT車に搭載
- 新色「ジンクグリーンメタリック」を追加。2026年10月生産開始予定
- 発売は2026年9月上旬。ソフトトップ(1.5L)の価格帯は約296万円〜407万円
今回の改良、何が変わった?
マツダが発表した今回の商品改良は、大きく「走りの深化」と「快適・利便性の向上」の2軸で構成されている。
走りの面では、サスペンションの専用チューニングが実施されたほか、ビルシュタイン社製ダンパーの採用グレードを見直した。MT車においては加速応答を改善するエンジン制御の変更と、ヒール&トゥアシスト制御が新たに追加されている。ヒール&トゥは本来スポーツ走行技術のひとつで、慣れるまでに時間がかかる操作でもある。それをアシストする制御を純正で組み込んでくる姿勢は、「MT車をもっと楽しく乗ってほしい」というマツダの意志の表れといえるだろう。レブリミット制御の変更も行われており、エンジンの使い方のフィーリングにも変化がありそうだ。
騒音規制への対応も今回の改良に含まれているが、マツダはここをネガティブな変更として扱っていない。静音タイヤの採用やサイレンサーの大型化と同時に、吸排気系を専用設計として官能的なサウンドを確保。さらにインダクションサウンドエンハンサーを1.5Lモデル全車に標準化するなど、規制対応を逆手に取ったアプローチをとっている点は評価できる。
操舵感についてもステアリングフィールの最適化が施されており、走りに関わる要素を丁寧に手直しした印象だ。

特別仕様車「PS」の詳細
今回の目玉のひとつが、特別仕様車「PS」の新設定だ。ベース車両は「S Special Package」で、ソフトトップモデルに設定される。価格はMT車で366万3,000円(税込)。
「PS」は「ピュアスポーツ(Pure Sports)」を意味する。モータースポーツ活動「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER」で培った技術や知見を織り込み、ロードスター本来の走る楽しさをよりダイレクトに味わえるモデルとされる。専用チューニングのサスペンション(前後スプリングレートを高め、ダンパー減衰力を下げる方向)やビルシュタイン製ダンパー、MT専用のアシスト制御といった走り関連の装備が充実している点が大きな魅力だ。
また「PS」はMT専用設定となっており、「ロードスターはMTで乗りたい」というドライバーのこだわりに真正面から応えるグレード構成になっている。スポーツ走行を日常的に楽しみたい層にとって、価格と装備のバランスが気になるところだ。RS(374万円)よりも抑えた価格帯でスポーツ装備を手にできる選択肢として、今後の販売でも注目を集めそうだ。

新色ジンクグリーンと全カラーラインナップ
ボディカラーには新色「ジンクグリーンメタリック」が追加される。マツダ公式の発表によれば、この新色の塗装車は2026年10月生産開始予定とのことで、9月に発売されるほかのカラーよりも少し遅れての登場となる。
ジンクグリーンは近年のスポーツカー市場でも注目されているアースカラー系のトーンで、従来のロードスターのラインナップにはなかった個性的な選択肢だ。ドライビングシューズのような質感を想起させる落ち着いた渋みがあり、年齢を重ねたドライバーにも刺さりそうなカラーといえる。
既存のカラーラインナップはジェットブラックマイカ、ディープクリスタルブルーマイカ、エアログレーメタリックに加え、特別塗装色としてソウルレッドクリスタルメタリック(+6万6,000円)、マシーングレープレミアムメタリック(+5万5,000円)、スノーフレイクホワイトパールマイカ(+3万3,000円)が設定されている。RFモデルではルーフをボディ同色またはピアノブラックとの2トーンから選べる点も引き続き魅力のひとつだ。

スペックと価格帯を整理する
パワートレーンは従来通り、ソフトトップが1.5L SKYACTIV-G(最高出力136PS/7,000rpm、最大トルク152N・m/4,500rpm)、RFが2.0L SKYACTIV-G(最高出力182PS/7,000rpm、最大トルク206N・m/4,700rpm)のFR2WD構成。いずれも6速MTまたは6速ATが選択できる。
WLTC燃費はソフトトップが6MT:16.9km/L、6AT:17.3km/L。RFは6MT:15.9km/L、6AT:15.3km/Lとなっている。車両重量はソフトトップが1,010〜1,080kg、RFが1,110〜1,150kgと、軽量さはこのクラスにおいて依然として大きなアドバンテージだ。
価格帯はソフトトップが295万9,000円(S・6MT)〜407万円(RS+メーカーセットオプション)、RFが385万円(RF S・6MT)〜469万7,000円(RF RS+オプション)。特別仕様車「PS」は366万3,000円(6MT)に設定されている。
ブレンボ製フロントブレーキとRAYS鍛造16インチホイール等をセットにしたメーカーオプション(33万円)も引き続き設定されており、RSグレードのさらなる戦闘力を高める選択肢として機能している。RFのRSにはBBS鍛造17インチを含む同価格のセットオプションが用意されている。

安全・快適装備もアップデート
走りの刷新とあわせて、日常使いに関わる装備も手が入っている。今回のアップデートで注目したいのが、Apple CarPlayおよびAndroid Autoにタッチパネル操作機能が追加された点だ。これまでコマンダーコントロールが中心だった操作系に、直感的なタッチ操作が加わることで、スマートフォンとの連携がより使いやすくなる。
ヘッドレスト形状の最適化も実施されており、長距離移動時の疲労軽減に寄与することが期待される。オープンカーという性格上、風の巻き込みを受けながら走るシーンも多いだけに、こうした地道な改善は乗り手にとってありがたい変更だ。
安全装備はスマート・ブレーキ・サポート(前方・後方・後進時左右)、ブラインド・スポット・モニタリング、車線逸脱警報、ドライバー・アテンション・アラートなどが基本全車に標準装備される。マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(全車速追従・速度標識連動機能付)はグレードやオプションにより設定。RFモデルでは多くの安全装備が全車標準化されている点も見逃せない。

主要諸元・価格一覧
マツダ ロードスター(1.5L・ソフトトップ)
| グレード | ミッション | メーカー希望小売価格(税込) |
|---|---|---|
| S | 6MT | ¥2,959,000 |
| NR-A | 6MT | ¥3,124,000 |
| S Special Package | 6MT | ¥3,146,000 |
| 6AT | ¥3,267,000 | |
| S Leather Package | 6MT | ¥3,553,000 |
| 6AT | ¥3,674,000 | |
| S Leather Package V Selection | 6MT | ¥3,608,000 |
| 6AT | ¥3,729,000 | |
| PS(特別仕様車) | 6MT | ¥3,663,000 |
| RS | 6MT | ¥3,740,000 |
マツダ ロードスター RF(2.0L)
| グレード | ミッション | メーカー希望小売価格(税込) |
|---|---|---|
| RF S | 6MT | ¥3,850,000 |
| 6AT | ¥3,883,000 | |
| RF VS | 6MT | ¥4,213,000 |
| 6AT | ¥4,246,000 | |
| RF RS | 6MT | ¥4,367,000 |
メーカー希望小売価格(消費税10%込み)。RS/RF RSにはブレンボ製ブレーキ+鍛造ホイール等のメーカーセットオプション(各¥330,000)を設定し、装着時はロードスターで最大¥4,070,000、RFで最大¥4,697,000。特別塗装色は別途(ソウルレッド+¥66,000/マシーングレー+¥55,000/スノーフレイクホワイト+¥33,000)。別途リサイクル料金が必要。2026年6月現在。
主要諸元(ロードスター/ロードスター RF)
| 項目 | ロードスター(1.5L) | ロードスター RF(2.0L) |
|---|---|---|
| エンジン | SKYACTIV-G 1.5(直4・1,496cc) | SKYACTIV-G 2.0(直4・1,997cc) |
| 最高出力 | 100kW(136PS)/7,000rpm | 134kW(182PS)/7,000rpm |
| 最大トルク | 152N・m(15.5kgf・m)/4,500rpm | 206N・m(21.9kgf・m)/4,700rpm |
| トランスミッション | 6MT/6AT | 6MT/6AT |
| WLTC燃費(6MT/6AT) | 16.9/17.3 km/L | 15.9/15.3 km/L |
| 全長×全幅×全高 | 3,915×1,735×1,235mm | 3,915×1,735×1,245mm |
| 最低地上高 | 140mm | 145mm |
| 車両重量 | 1,010〜1,080kg | 1,110〜1,150kg |
| ルーフ | ソフトトップ(幌) | パワーリトラクタブルハードトップ |
| 駆動方式 | 2WD(FR) | |
| 乗車定員 | 2名 | |
燃費は国土交通省審査値(WLTCモード)。数値は2026年6月現在のカタログ/公式発表値。製造:マツダ株式会社。
Roadly編集部コメント
今回の改良でとくに興味深いのは、規制対応という「やらざるを得ない変更」をきっかけに、サウンドや走りのフィールをむしろブラッシュアップしてきた姿勢だ。ヒール&トゥアシスト制御の追加は、MTスポーツカーの敷居を少し下げながらも、操る喜びを損なわないギリギリのバランスを狙ったものとみられる。特別仕様車「PS(ピュアスポーツ)」は、レース活動で得た知見を市販車にフィードバックする狙いが明確で、走りを核に据えたマツダらしい一手だ。ロードスターRFを含め、現在のNDシリーズはデビューから10年以上が経過しても熟成を続けている点は素直に評価したい。次期モデルへの移行前の最終的な完成形に近づきつつある一台として、今が買い時という判断も十分成り立つ。
2026年9月上旬の発売に向け、予約受付はすでにスタートしている。新色ジンクグリーンを狙う場合は10月以降の生産分を待つ必要があるが、走り重視の装備が充実した今回の改良ロードスターは、MT乗りのスポーツカーファンにとって要チェックの一台だ。続報にも注目していきたい。
情報源・出典
- 情報源:Mazda 公式(日本)
- プレスリリースタイトル:マツダ、「マツダ ロードスター」を商品改良 - 走りの魅力をさらに深化、特別仕様車「PS」を新設定 -
- プレスリリースURL:https://newsroom.mazda.com/ja/publicity/release/2026/202606/260626a.html
本記事は上記のメーカー公式プレスリリースを情報源として、Roadly編集部が事実情報を再構成・独自視点で執筆した解説記事です。プレスリリースの文章・構成・画像を複製したものではありません。詳細は上記リンクよりご確認ください。
※本記事は情報提供を目的とした解説であり、商品・サービスの購入や投資判断を推奨するものではありません。スペック・価格・発売時期等は変更される場合があります。