ベントレーが2026年6月2日、最新世代のフライングスパーを正式に発表した。クルー工場で培われた手仕事の伝統を守りながら、パフォーマンスと快適性の両立をさらに高次元へと引き上げた意欲作だ。外観デザインでは1962年以来となる単眼ヘッドライトを採用し、コンチネンタルGTファミリーとのデザイン統一を図っている。さらに、パフォーマンス重視のSモデルが復活し、歴代フライングスパー最強となる680PS・930Nmを誇るハイパフォーマンスハイブリッドパワートレインを搭載。本国での発注受付はすでに開始されており、2026年第4四半期初頭から順次デリバリーが始まる予定だ。
この記事のポイント
- 1962年以来64年ぶりとなる単眼ヘッドライトを採用し、コンチネンタルGTと統一されたデザインDNAを確立
- Sモデルが復活し、歴代最強の680PS・930Nmを発揮。0-100km/h加速3.7秒、最高速307km/hを実現
- 21スピーカーを擁するNaim for Mullinerオーディオシステムを搭載したVirtuosoコレクションが新たに設定
64年ぶりのデザイン刷新
今回のフルモデルチェンジで最も目を引くのが、フロントフェイスの大胆な刷新だ。ベントレーの公式発表によれば、ベントレーのセダンとして1962年以来初となる単眼ヘッドライトを採用。これによって第4世代コンチネンタルGTファミリーとデザイン言語が統一され、ベントレーのラインナップ全体に一貫したアイデンティティが生まれた。
フロントバンパーにラジエーターグリルが統合され、サイドにあったウイングベントのディテールは廃止。代わりにクリーンで連続したフロントフェンダーが採用され、バッジはフロントホイール後方に配置される。リアも新設計のトランクリッドにより流麗なサーフェスと引き締まったラインへと進化し、新形状リアランプやボディ同色のナンバープレートサラウンドが全体の洗練度を底上げする。
エクステリアカラーの新色として「ダークティール」が追加された。グリーンがかったミッドブルーのメタリックペイントで、細かなメタリックフレークが光の当たり方によって表面の抑揚を美しく浮かび上がらせる。22インチの新デザインホイールもAzureモデルとSモデルに対してオプション設定される。

歴代最強Sモデル、パワーは680PSへ
2026年型フライングスパーのハイライトのひとつが、パフォーマンスモデル「S」の復活だ。公式発表によれば、新型フライングスパーSはハイパフォーマンスハイブリッドパワートレインを搭載し、最高出力680PS・最大トルク930Nmを発揮する。これは先代フライングスパーSと比較して約130PS増という大幅な強化で、歴代Sモデル中でも最も力強いスペックとなる。
0-100km/h加速はわずか3.7秒、最高速は307km/hに達する。スーパーカーと呼んでも差し支えないポテンシャルを、4ドアセダンのボディで実現している点が見どころだ。
シャシーには現在スピードモデルおよびマリナーモデルにのみ設定されている「Bentley Performance Active Chassis」を初めてフライングスパーSに採用。アクティブ4WD、ツインバルブダンパー、前後・左右軸間のトルクベクタリング、48VのBentley Dynamic Rideアクティブアンチロールシステム、そして新世代ESC制御ソフトウェアを組み合わせる。さらに、フライングスパーS初となる電子制御LSD(eLSD)も装備され、よりダイレクトでスポーティなドライビングフィールが期待できる。
外観もブラックラインスペシフィケーションによりグロスブラックのマトリクスグリル、ブラックのウイングバッジやBENTLEYレタリングを採用するなど、Sモデルらしいスポーティかつ引き締まったスタンスを強調している。

5種類のシートと職人の手仕事
Sモデルの加わりによって、新型フライングスパーに用意されるシートスタイルの選択肢は5種類へと拡大した。フルーテッドインサートとアドバンスドキルテッドインサートの2種類を軸に構成されており、それぞれ12時間もの手作業による縫製・仕上げが施されるという。クルーの職人たちが一つひとつ丁寧に仕立てるそのプロセスは、ラグジュアリーカーブランドとしてのベントレーのアイデンティティそのものだ。
シートのバリエーション拡充は、ドライビングダイナミクスを求めるSモデルオーナーから、ゆったりとした快適性を優先するAzureオーナーまで、幅広いニーズに応えるためのものといえる。車内で過ごす時間の質にも妥協しないのが、フライングスパーというモデルの本質的な価値だろう。

最高峰オーディオ、Virtuosoコレクション
新設定の「Virtuosoコレクション」は、マリナー部門が手がけるエクスクルーシブな仕様だ。中核を担うのが「Naim for Mulliner」オーディオシステム。もともとコーチビルトモデル「バトゥール」向けに開発されたこのシステムは、単体オプション価格2万5,000ポンド(税別)という超高級品だったが、今回フライングスパーを含むベントレーのプロダクトレンジへと展開された。
21基のスピーカーを配置し、FocalのGrand Utopia由来の新開発スピーカーユニットを採用。中高音域用スピーカーには特許取得済みの「M」コーンを搭載し、軽量・高剛性・優れた制振性という相反する要件を高次元で両立させることで、歪みの少ない広帯域にわたってリニアな周波数特性を実現している。
Virtuosoコレクションは「Soprano」「Tenor」「Bass」の3テーマで展開。明るく穏やかなインテリアから重厚でドラマティックなデザインまでカバーする。シャンパンゴールドのディテールが内外装全体にわたって採用されており、ウイングバッジ、エキゾーストフィニッシャー、専用キーに至るまで統一感が貫かれている。

発売時期と生産体制
発注受付は2026年6月2日付けで既に開始されており、クルー工場での生産は同年9月に始まる予定だ。多くの市場での最初のデリバリーは2026年第4四半期初頭から順次行われる見込みとなっている。
日本市場への正式な導入スケジュールについては現時点で公式な言及がないため、続報を待ちたい。ただし、フライングスパーはベントレージャパンを通じてこれまでも継続的に展開されてきたモデルだけに、国内導入も現実的な線とみて差し支えないだろう。気になる価格については、現時点ではベントレー公式からのアナウンスはない。

Roadly編集部コメント
フライングスパーといえば、パナメーラやメルセデスAMG GT 4ドアといった競合勢と常に比較されてきた存在だ。しかし今回のSモデル復活と680PSというスペックを見ると、より明確に「走れる大型セダン」というキャラクターを打ち出してきた印象がある。単眼ヘッドライトへの回帰はデザイン的にも大きなトピックで、コンチネンタルGTのシルエットが好みなら、フライングスパーにも一度じっくり目を向けてほしい一台に仕上がっているはずだ。Virtuosoコレクションのオーディオシステムは、音楽好きのドライバーにとって見逃せない要素。21スピーカー構成のNaim for Mullinerは、移動時間をそのままコンサートホールに変えてしまうポテンシャルを持つ。
2026年型ベントレー フライングスパーは、デザイン・パフォーマンス・クラフトマンシップの3軸すべてでアップデートを果たした意欲作だ。日本への正式導入スケジュールや国内価格については続報を待ちたい。Roadlyでも引き続き最新情報をお届けする。
情報源・出典
- 情報源:Bentley 公式(欧州)
- プレスリリースタイトル:Bentley News 2026 : Handcrafted luxury with supercar performance: The new Flying Spur
- プレスリリースURL:https://www.bentleymedia.com/en/newsitem/1800-handcrafted-luxury-with-supercar-performance-the-new-flying-spur
本記事は上記のメーカー公式プレスリリースを情報源として、Roadly編集部が事実情報を再構成・独自視点で執筆した解説記事です。プレスリリースの文章・構成・画像を複製したものではありません。詳細は上記リンクよりご確認ください。
※本記事は情報提供を目的とした解説であり、商品・サービスの購入や投資判断を推奨するものではありません。スペック・価格・発売時期等は変更される場合があります。