日産 新型エルグランド 2026年発売|第3世代e-POWERと進化したe-4ORCEで生まれ変わったフラッグシップミニバン
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日産 新型エルグランド 2026年発売|第3世代e-POWERと進化したe-4ORCEで生まれ変わったフラッグシップミニバン

2026.07.16

2026年7月16日、日産自動車は満を持してフラッグシップミニバン「エルグランド」のフルモデルチェンジを発表し、同日より発売を開始した。先代からの最大の変化は、日産独自のハイブリッド技術が第3世代「e-POWER」へと進化したことと、電動駆動4輪制御「e-4ORCE」がさらに磨き込まれたこと。デザインコンセプトに「The private MAGLEV(リニアモーターカー)」を掲げ、走りの質・居住空間・先進装備のすべてで先代を大きく上回る仕上がりになっている。昨年のJapan Mobility Show 2025で先行公開されたモデルが、ついに正式発売となった。その全貌をRoadly編集部が詳しく解説する。

この記事のポイント

「リニアモーターカー」が示す新世界観

新型エルグランドのデザインコンセプトは「The private MAGLEV」。リニアモーターカーのような滑らかでシャープなスピード感と、威風堂々とした佇まいを融合させ、「ジャパンフラッグシップモデル」としての格を表現するという大胆な方向性だ。

エクステリアで特に目を引くのが、日本の伝統工芸「組子」をモチーフとしたフロントグリルのデザイン。組子パターンはシグネチャーランプへとシームレスにつながり、リアコンビランプにも同じ意匠が反復される。このモチーフはインテリアのキルティングにも波及しており、内外装で統一されたジャパニーズアイデンティティが貫かれている点が特徴的だ。

車体サイズは先代から拡大しており、どのアングルから見てもシャープなシルエットと踏ん張り感のあるスタンスを印象づけるプロポーションを実現した。ホイールには樹脂フィニッシャーを組み合わせることで、アルミ単体では難しい伝統工芸的な緻密さを表現しつつ、軽量化も追求している。

ボディカラーは全5種類。「FUJI DAWN -フジドーン-」と「至極 -シゴク-」の2色が新色で、富士の黎明の美しさや日本古来の高貴な色から着想したカラーネームも含め、日本発のフラッグシップらしいこだわりを感じさせる。プレミアム2トーンは「FUJI DAWN」と「至極」を組み合わせた1種のみ設定されている。

「リニアモーターカー」が示す新世界観

第3世代e-POWERと進化したe-4ORCE

パワートレインの核心は、日産公式が発表した第3世代「e-POWER」だ。今回採用された発電特化型エンジン「ZR15DDTe」と、モーター・発電機・インバーター・減速機・増速機の5部品を一体化した5-in-1電動ユニットで構成される。駆動はあくまで100%モーターが担うe-POWERの思想はそのままに、新世代の制御技術を加えることで静粛性と燃費性能を大幅に引き上げたとしている。発電用エンジンは1.498Lの直列3気筒DOHC(103kW/140PS、228N・m)で、駆動を担うのはフロント151kW(205PS)・330N・m、リヤ100kW(136PS)・195N・mのモーター。WLTCモード燃費は16.8km/Lを公表している(システム総合出力は非公表)。

e-4ORCEも大きく進化した。従来のモーターとブレーキの統合制御に加え、リヤモーターのトルクを積極的に活用する新しいアルゴリズムを導入。日常的な走行では発進時や加減速による車体の揺れを効果的に抑え、コーナリング時はより気持ちよいライントレースを実現するという。モーター出力とブレーキの作動状態はメーターディスプレイにリアルタイムで表示されるため、ドライバーがe-4ORCEの働きを視覚的に確認できるのもユニークな点だ。

サスペンションには「インテリジェント ダイナミックサスペンション」を採用し、走行シーンに応じて4輪の減衰力を個別に可変制御。e-POWERとe-4ORCEの制御と組み合わさることで、フラットで落ち着いた乗り心地を追求している。ドライブモードは「ECO」「STANDARD」「SPORT」「COMFORT」「SNOW」「PERSONAL」の6種類を設定し、e-POWER・e-4ORCE・サスペンションの特性を一括で切り替えられる。

第3世代e-POWERと進化したe-4ORCE

プライベートラウンジのような室内空間

インテリアは「特別なプライベートラウンジ」を目標に開発されたと日産が説明している。先代から大幅に拡大した室内スペースに加え、アイポイントを高く設定したことで運転席からの視界が広がり、開放感が増した。1列目から3列目にかけてアイポイントが段階的に高くなる「シアターレイアウト」と、スライドドアの大型ウインドウの組み合わせが、全列乗員の解放感に貢献している。

2列目シートは大人が寝返りを打てるほどの幅広さを確保し、助手席・2列目左右席の計3席でオットマンの同時使用が可能。さらに「デュアルリクライニング」機能によりシートバック上部(頭部)のみを起こした状態を保てるため、体を横たえながらモニターを視聴するといった使い方も快適にこなせる。全席に採用されたゼログラビティシートも、長距離移動での疲労軽減に貢献するはずだ。

インフォテインメントの目玉は、国内モデルとして初採用となる14.3インチの統合型インターフェースディスプレイ(グレード別設定)。センターとメーターを一体化した大画面で操作性を高める。最大64色の間接照明はドアにかけて連続するデザインで、ムード演出から実用照明まで幅広くカバー。BOSE製22スピーカーシステム(X・Gともにメーカーオプション)も用意され、3Dサラウンド再生で映画館のような音響空間を車内に構築できる。

実用装備も充実している。Qi2.0対応ワイヤレス急速充電器はスマートフォン2台を同時充電可能。100V AC電源(1500W)を最大3基装備し(グレード別設定)、アウトドアや非常時の電源としても活用できる。荷室は7名乗車時でも機内持ち込みサイズのスーツケースを7個積める開口設計とし、マルチアップシートの前後2方向格納や「ハーフオープン機能」付きスライドドアなど、使い勝手への配慮も細部まで行き届いている。

プライベートラウンジのような室内空間

静粛性への本気度が伝わる新技術

プレミアムミニバンとして見逃せないのが静粛性への取り組みだ。今回、日産公式発表によれば「世界初」となる技術として、エンジン騒音だけでなくロードノイズも同時に低減する「アクティブ・ノイズ・コントロール」を搭載した。従来のアクティブノイズキャンセルがエンジン音に特化していたのに対し、走行中のロードノイズまでカバーできる点は一歩踏み込んだアプローチといえる。

加えて、高剛性ボディと徹底した遮音構造をプラットフォームの大幅改良と組み合わせることで、e-POWERのモーター駆動特性とも相まって高い静粛性が期待できる。「スムースストップ機能」は停車直後の車体の揺れを抑え、細かいブレーキ操作なしでスムースに停車できる。信号待ちや駐車時の乗員の姿勢変化を低減するこの機能は、後席を重視するファミリーやビジネスユース層には特に刺さるはずだ。

静粛性への本気度が伝わる新技術

プロパイロット2.0まで対応する運転支援

先進運転支援システムも世代を超えた進化を遂げている。上位グレードのG e-4ORCEには、渋滞時50km/h以下でのハンズオフ走行と、ウインカー操作による車線変更支援(60km/h以上)に対応した「プロパイロット(ナビリンク機能・渋滞時ハンズオフモード・車線変更支援機能付)」を標準装備。さらにオプションで「プロパイロット 2.0」の設定も用意されており、高速道路での高度な自動車線変更などに対応できる(メーカーオプションの取得が必要)。

X e-4ORCEには標準の「プロパイロット」が装備され、オプションで渋滞時ハンズオフモード対応版へのグレードアップが可能だ。「プロパイロット パーキング」はメモリー機能付きで、記録した駐車位置に近づくとボタン一つで自動駐車が完了する。「インテリジェント アラウンドビューモニター」も大幅に機能を拡充し、フロントワイドビュー・ミラークローズビュー・3Dビューの3つを追加した。

NissanConnectのGoogleサービス統合(Googleマップ・Googleアシスタント・Google Play対応)に加え、「し忘れアラート」や「リモートフォトショット」といったスマートフォン連携機能も充実。2026年7月16日から開始した新サービス「みまもりドライブ」は、家族の運転状況をリアルタイムで確認でき、エリア逸脱や速度超過を通知してくれる機能だ。

プロパイロット2.0まで対応する運転支援

価格帯とカスタムモデルラインナップ

標準モデルの価格は、X e-4ORCEが6,897,000円、G e-4ORCEが7,579,000円(いずれも消費税込み)。プレミアムミニバン市場でのポジショニングを明確に意識した価格設定だ。

NMC(日産モータースポーツ&カスタマイズ)が手がけるカスタムモデルも同日に発表され、多彩なバリエーションが揃う。「AUTECH」はAUTECHブランドのフラッグシップとして位置づけられ、湘南・茅ヶ崎の海と空からインスパイアされたブルーをアイコニックカラーとする。航跡波や漣(さざなみ)をモチーフにした専用デザインと、プレミアムナッパレザーシートが特徴で、価格は8,247,800円(G e-4ORCE ベース)。8月上旬より発売予定だ。

よりスポーティな外装を求める層向けに「AUTECH LINE」(7,179,700円〜)、ショーファー需要に応える「VIP」(8,698,800円)、乗降のしやすさを追求した「ステップタイプ」(7,146,700円〜)も7月16日より販売を開始している。VIPはBOSE 22スピーカーシステムと15.6インチ後席専用ルーフモニターを標準装備しており、法人需要にも十分に応えられる内容だ。ステップタイプはロングステップを前後ドア連動で展開・格納し、段差を極力均一化することで誰でも自然にスムースに乗降できる設計となっている。

価格帯とカスタムモデルラインナップ

新型エルグランド グレード・価格

グレード 全国希望小売価格(消費税込み)
X e-4ORCE 6,897,000円
G e-4ORCE 7,579,000円

※いずれも駆動方式は4WD、エンジンは発電特化型のZR15DDTe(第3世代e-POWER)。価格は全国希望小売価格(消費税込み)です。詳細は下記の主要諸元表をご覧ください。

新型エルグランド 主要諸元

項目 X e-4ORCE G e-4ORCE
型式 6AA-NE53
全長×全幅 4,995×1,895mm
全高 1,975mm 1,975mm(プロパイロット 2.0装備車は1,970mm)
ホイールベース 3,000mm
トレッド(前/後) 1,640/1,640mm
室内寸法(長×幅×高) 3,165×1,730×1,315mm(ツインガラスルーフ装備車は高1,310mm)
最低地上高 165mm
最小回転半径 5.8m
車両重量 2,430kg 2,440kg
車両総重量 2,815kg 2,825kg
乗車定員 7名
駆動方式 4輪駆動(e-4ORCE)
発電用エンジン ZR15DDTe/DOHC水冷直列3気筒 1.498L 圧縮比13.0
エンジン最高出力 103kW(140PS)/5,000rpm
エンジン最大トルク 228N・m(23.2kgf・m)/3,600rpm
フロントモーター YM52・交流同期電動機 151kW(205PS) 330N・m(33.7kgf・m)
リヤモーター MM45・交流同期電動機 100kW(136PS) 195N・m(19.9kgf・m)
動力用主電池 リチウムイオン電池
WLTCモード燃費 16.8km/L(市街地15.2/郊外17.8/高速道路16.9km/L)
燃料/タンク容量 無鉛レギュラーガソリン/67L
サスペンション(前/後) 独立懸架ストラット式/独立懸架マルチリンク式
ブレーキ(前/後) ベンチレーテッドディスク式/ベンチレーテッドディスク式
タイヤ 235/60R18 103H(18×7.5Jアルミホイール)

※数値はメーカー公表値。燃料消費率は国土交通省審査値(WLTCモード)で、使用環境や運転方法により異なります。室内寸法・最低地上高は社内測定値。e-POWERはエンジンで発電し100%モーター駆動するシステムのため、エンジン出力はそのまま駆動力にはなりません。システム総合出力は公表されていません。

カスタムカー(AUTECH/VIP/ステップタイプ)価格

車種 ベース車グレード 全国希望小売価格(消費税込み)
AUTECH G e-4ORCE 8,247,800円
AUTECH LINE e-4ORCE X e-4ORCE 7,179,700円
AUTECH LINE e-4ORCE “G-spec” G e-4ORCE 7,784,700円
VIP G e-4ORCE 8,698,800円
ステップタイプ X e-4ORCE 7,146,700円
G e-4ORCE 7,828,700円
AUTECH LINE e-4ORCE 7,429,400円
AUTECH LINE e-4ORCE “G-spec” 8,034,400円

※日産モータースポーツ&カスタマイズ(NMC)が手がけるカスタムカー。駆動方式は4WD、エンジンはZR15DDTe(YM52-MM45)。「AUTECH」は2026年8月上旬発売、その他モデルは2026年7月16日発売。価格は全国希望小売価格(消費税込み)です。

Roadly編集部コメント

国内プレミアムミニバン市場はアルファードが圧倒的な存在感を示してきたが、新型エルグランドは、発電はエンジン・駆動は100%モーターというe-POWERに、電動4輪制御のe-4ORCEを組み合わせた独自の路線で真正面から勝負を挑む一台だ。「世界初」のロードノイズ対応アクティブノイズコントロールや14.3インチの統合ディスプレイなど、技術的な見どころも多い。ファミリーユースはもちろん、ショーファーカーとして法人需要にも視野を広げたVIPの存在が、今回のラインナップの厚みを物語っている。2.4tを超える車重ながらWLTCモードで16.8km/Lという燃費は、このクラスのミニバンとして十分に健闘した数字といえる。「グランドツーリング体験」という言葉が示す方向性は明快だ。長距離をとことん快適に走り抜けたいドライバーには、最有力候補の一台として検討する価値がある。

2026年7月16日に発売が始まった新型エルグランドは、電動技術・デザイン・居住性のすべてで先代を大幅に刷新したフラッグシップミニバンだ。WLTCモード16.8km/Lという燃費と、フロント151kW・リヤ100kWのモーターが生む走りを、ぜひ販売店で体感してほしい。

情報源・出典

本記事は上記のメーカー公式プレスリリースを情報源として、Roadly編集部が事実情報を再構成・独自視点で執筆した解説記事です。プレスリリースの文章・構成・画像を複製したものではありません。詳細は上記リンクよりご確認ください。

※本記事は情報提供を目的とした解説であり、商品・サービスの購入や投資判断を推奨するものではありません。スペック・価格・発売時期等は変更される場合があります。

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