新型アウディRS5アバント vs BMW M3 CSツーリング 2026年最強シューティングブレーク頂上対決
カーレビュー

新型アウディRS5アバント vs BMW M3 CSツーリング 2026年最強シューティングブレーク頂上対決

2026.06.01

ハイパフォーマンスワゴンの世界に、2026年という節目を飾る大一番が訪れた。アウディが新世代の「RS5アバント」を投入し、圧倒的な人気を誇るBMW M3ツーリングへの真っ向勝負を挑んでいる。PHEVシステムを新採用したRS5アバントは従来のRS4から大幅に進化している一方で、BMWは最強仕様のM3 CSツーリングを送り込んできた。果たしてアウディは長年のライバルを超えることができるのか。Top Gearチャンネルによるイングランドからオーストリアまでの実走行テストをもとに、その全貌を紐解く。

この動画のみどころ

なぜM3 CSが対戦相手になったのか

今回の対決で目を引くのは、BMW側の車両がレギュラーモデルのM3ツーリングではなく、最上位仕様の「M3 CSツーリング」であることだ。動画ではその経緯が丁寧に説明されており、Top GearがイングランドからオーストリアへRS5アバントと合流する約1,600kmのロードトリップに向けてM3ツーリングを手配したところ、BMWサイドがCSグレードを選んで送り込んできたという。

M3 CSは現行M3の頂点に位置する仕様で、ターボブーストとECUチューンにより直列6気筒エンジンを543馬力・約650Nmにまで引き上げている。専用ダンパーソフトウェアや強化エンジンマウント、カーボンファイバー製ボンネット、チタン製エキゾーストなど専用パーツを盛り込みつつ車重を15kg削減し、ニュルブルクリンクでは標準M3コンペティションツーリング比で5秒のタイム短縮を実現するとされる。

ただし価格はおよそ12万6千ポンド(日本円換算で約2,400万円相当)に達し、標準M3ツーリングから3万ポンド以上の上乗せになる。動画ではこの極端なコストパフォーマンスへの疑問が率直に提示されており、サーキット走行を想定しない日常使いのツーリングカーとしてどこまで意味があるのかという視点が、比較全体のトーンを形成している。

なぜM3 CSが対戦相手になったのか

新型RS5アバントはここが変わった

今回の新型から車名が「RS4アバント」ではなく「RS5アバント」へと変更されており、これは単なるネーミング変更にとどまらない大幅刷新を意味する。ツインターボV6エンジン自体は踏襲されているものの、プラグインハイブリッドシステムが組み合わされたことで総合出力はM3 CSをも上回る水準に達しているとのことだ。

一方でハイブリッド化にともなう車重増加は約445kgとされており、動力性能の向上と重量増というトレードオフが生じている。アウディの代名詞であるクワトロ四輪駆動はもちろん継続採用されているが、BMW M3のようにリアホイールドライブモードへの完全切り替えはできない。ただしリアの電動モーターが外側後輪にトルクを集中させることでアンダーステアを抑制する仕組みが取り入れられており、ワインディングでの走りの質向上が期待される。

価格は9万2千ポンド(日本円換算で約1,700万円相当)からとされており、M3 CSとの価格差は3万ポンド以上。スペック上の出力でM3 CSを超えながらも、より手の届きやすい価格帯に設定されている点はRS5アバントの大きなアドバンテージといえる。

新型RS5アバントはここが変わった

デザイン:RS5が「4面勝利」を収めた理由

Top GearのレビューはデザインをM3との比較で詳細に論じており、結論としてRS5アバントが総合的に上回るという評価が示されている。

BMW M3のフロントフェイスについては、登場以来たびたび議論を呼んできた大型キドニーグリルが今回のCSでもさらに強調されており、カーボン製フロントスプリッターや赤いピンストライプが加わってよりアグレッシブな印象になっている。動画では「見慣れたことと好きであることは別物だ」という率直な意見が示されている。リア側はワイドアーチとディフューザーの造形が高く評価されており、「どんな車よりもリアが格好いいのにフロントがこれほど残念な車は珍しい」というニュアンスのコメントが印象的だ。

RS5アバントは新型から大胆なスタイル変更が施されており、通常のA5からの継続パーツがほとんどないとされる。特筆すべきはRSモデル専用に設計されたリアドアで、ホイールアーチとのラインを美しくつなぐために専用設計されたという。フロントのホイールアーチベントも大型化されており、動画内ではBMWの処理と比較して「圧倒的な存在感」と評されている。動画では「4方向どこから見ても成立している」という趣旨の高評価が与えられ、デザイン対決はRS5の1ポイント先取となった。

デザイン:RS5が「4面勝利」を収めた理由

ラゲッジ・実用性:M3が逆転

ハイパフォーマンスワゴンである以上、実用性は購入判断の大きな要素となる。動画の後半では荷室の使い勝手が丁寧に比較されており、この点ではBMW M3ツーリングが明確な優位を示している。

まずラゲッジ容量の数字が大きく異なる。M3ツーリングが500Lの容量を確保しているのに対し、RS5アバントは361Lにとどまる。この差は絶対的なもので、動画では「ここからRS5にとって厳しい展開が始まる」という趣旨の言及がある。スタイリッシュなテールゲートラインが後方視認性や荷室形状に影響を与えている可能性が指摘されており、デザイン優先の代償ともいえる部分だ。

機能面での差もM3に有利で、まず分割式テールゲートの存在が大きい。ハッチ全体を開けずとも下部のみを開口できる構造は、ちょっとした積み下ろしや撮影時の台座として機能するなど実用シーンでの利便性が高い。加えてM3は荷室床下に工具や応急修理キットを整理して収納できるスペースを備えているのに対し、RS5アバントにはこうした収納スペースが存在せず、床下にはトーイングアイのみが収まっているとのことだ。荷室内のレールシステムや傾斜検知によって中仕切りが自動で上昇する機能など、BMWならではのきめ細かな設計が光る。

「RS2・RS4の後継」たる資格はあるか

アウディのクイックワゴンの系譜といえば、1994年のRS2アバントに始まり、RS4アバントへと続く「高性能でありながら実用的」という哲学が根底にある。動画ではこの文脈を踏まえ、新型RS5アバントが「RS2やRS4の伝説的な存在感を受け継ぐ正統な後継者たり得るか」という問いが提示されている。

PHEV化による複雑なパワートレインや445kgという重量増は、かつての「実直なパフォーマンスワゴン」というイメージとはやや異なる方向性を示している。一方で専用設計のボディパネルやアーチ、妥協のないワイドボディ化への投資は、RS4では見られなかったほどの本気度を感じさせる。エキゾーストパイプについても動画では「完全に偽物ではない」と評価されており、実際に金属パイプとバタフライバルブが確認できる点が紹介されている。EVモード走行時には歩行者向け警告音を発するスピーカーも装備するなど、電動化時代のコンプライアンス要件と走りのドラマの両立が課題となっている様子も見て取れる。

RS5アバントをどう評価するかは、「ハイパフォーマンスワゴンに何を求めるか」という個人の価値観に依存する部分が大きい。荷室容量や収納機能を重視するなら現時点ではM3ツーリングに分があるが、デザインの完成度と存在感においてはRS5アバントが新しい基準を打ち立てたともいえる。動画の全編ではさらに走行シーンや音など多くの要素が検証されており、購入を検討しているドライバーには必見の内容だ。

Roadly編集部コメント

編集部として特に注目したいのは、RS5アバントの「全方位で成立するデザイン」という点だ。これまでのアウディ高性能モデルはある種の控えめさ、いわゆるQカー的な佇まいを美徳としてきたが、新型RS5はその路線を完全に捨て去り、BMW M3を真正面から迎え撃つ堂々たる構えを見せている。一方で実用性面の課題、特にラゲッジ容量と収納機能の差は見逃せない。家族を乗せての長距離移動を念頭に置くドライバーにとって、500Lと361Lの差は写真映えよりはるかに現実的な問題になりうる。PHEVの採用は維持費や補助金の観点で有利な場面もある反面、重量増とドライビングキャラクターへの影響が気になるところ。Top Gearの動画では走行シーンやサウンドも含めた比較が行われており、購入候補として真剣に考えているなら動画の全編視聴を強くおすすめする。

デザインでRS5が先行し、実用性でM3が反撃するという展開は、2026年の高性能ワゴン対決を象徴している。Top Gearチャンネルのフルレビューではさらなる走行評価も収録されており、どちらを選ぶかの判断材料として一度じっくり視聴してみてほしい。

動画情報・出典

本記事は上記動画の内容を元に、Roadly編集部が独自視点で再構成・執筆した解説記事です。動画および動画内の映像・音声・サムネイル画像の著作権は、投稿者である Top Gear に帰属します。動画本編の視聴は上記リンクよりご確認ください。

※本記事は情報提供を目的とした解説であり、商品・サービスの購入や投資判断を推奨するものではありません。

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